宇都宮市の書店・うさぎやでは「誰でも本屋さんになれる」という面白いイベントを始めています。名付けて「BOOK SELLERS」。同書店の副本部長・高田直樹さん(48歳)によると、「本屋さんを自分ごとにして足を運んでもらう」のが狙いとのこと。昨年9〜11月の3カ月間、うさぎや宇都宮東口店で開催しました。
イベント用の棚には幅40cmほどのスペースを12区画用意しました。これをSNSで募った出店者に1カ月2200円(税込)で貸し出します。出展者はここに新刊でも古書でも自費出版の本でも置くことができ、それを自分の決めた値段で売るのです。自分の区画には「屋号(本屋名)」をつけ、本には値札シールをはります。みなさん、家に眠っていた本や買ってきた本を並べたそうです。
高田さんも「NAYA BOOKS」という屋号で自分が選んだ本だけが集まったミニ本屋をつくりました。エッセイや海外文庫を1冊300〜500円で並べたそうです。
売り上げの10%は手数料としてうさぎやに入るものの、これが経営に直接貢献するわけではありません。それでも2回目の開催要望の声も上がる好評企画となったようです。お客様を「本屋」にして巻き込みながら話題づくりに生かす手法は面白いなと思いました。
(農文協 江崎嵩弘)