農文協が運営する農業情報サイト「ルーラル電子図書館」で読者が注目した『季刊地域』の記事を連載形式で公開します。
今回ご紹介する「水田フル活用」コーナーは、各市町村で作成されている「水田収益力強化ビジョン」に基づく、地域の特色を生かした魅力的な産地つくりの実現に向けて、基礎知識の再確認、栽培技術、各地の実践事例など参考になる記事を作物別にセレクトしました。*この記事は『季刊地域』2022年秋号(No.51)に掲載されたものです。
まとめ = 編集部
大豆は小麦と違い、国産大豆も輸入大豆も自由流通だ。国産大豆は主に入札取引、相対取引、契約栽培の三つの流れで取り引きされる。なかでも最近増えているのが契約栽培。
契約を通じて生産者と実需者がつながることで生産意欲もますます高まる。
大豆の流通の現状(食糧用、計350万t)
大豆の自給率は……
国産大豆の生産は現在およそ21万tで、350万tある需要量に対して約6%。ただし、需要の約7割は大豆油の製造に使われる油糧用大豆だ。豆腐や納豆などの食用大豆だけに限れば需要量は105万tとなり、自給率も20%に上がる。国産大豆は品質がいいと、食品加工メーカーからの需要は小さくない。
輸入大豆の価格は高騰中
2013年から大豆の国際価格は低下していたが、20年以降、中国の輸入需要の増加や北米の気象変動などの影響で、現在は1ブッシェル(約27kg)16.2ドル、1kgあたり80円ほどにまで上昇している。国産大豆の平均入札価格は60kg1万円台、1kg160円前後。価格差の減少*も、国産大豆増産の追い風だ。
*この記事が掲載された22年時点では、干ばつやロシアのウクライナ侵攻のために大豆国際価格が大幅に値上がりしていたが、その後は落ち着いてきている。農水省の資料によると、24年12月時点では1ブッシェル(約27㎏)9.9ドル。
『季刊地域』2022年秋号(No.51) 「小さく始める食料安保 ザ・穀物流通読本 図解 大豆の流通」より