特集「農家が足りない! 増やすために動く」

今号の特集は「農家が足りない! 増やすために動く」。
ふだん農業を仕事にしている「基幹的農業従事者数」の急減が話題だ。近年は5年で30万人ずつ減少。現在は100万人余りいるが、今後20年ほどで30万人に減るという政府の予測もある。
では、なぜ農家は減ったのか? 特集では、その理由として2024年の「令和の米騒動」に至るまで続いた低米価(21・22年の米農家の所得は時給換算で10円!)にもふれたうえ、今後も減り続けることを前提とせず、「増やすために動く」人たちを取り上げた。
本誌で何度も特集してきた「小さい農業」が急増するのは静岡県浜松市。浜松市の農地利用課と農業委員会は23年の下限面積廃止をチャンスととらえ、「スモールスタート農業」という言葉を編み出した。市内の宅地化が進むエリアには、家に挟まれた小さい農地が点々と残っている。市の応援により、こうした小間切れ農地の「担い手」が市民の中から続々現われているのだ。毎月の農業委員会に図られる新規の農地取得は以前の10倍以上に増えた。

島根県や山形県では、集落営農や農村RMOで農家を増やそうという動きがある。島根県浜田市の小国地区は、地域計画をまとめることになったのをきっかけに、世代横断的に「小国の農業を考える会」が発足。高齢化が進む中でどうやって農地を守るか、担い手をどうやって確保するかという2大課題を前に、いろいろなアイデアが出てきた。
同県の邑南町では、農村RMOの立ち上げを機に50~60代の「中継ぎ」世代が農地維持に立ち上がった。
山形県の山形市と飯豊町では、「地域まるっと中間管理方式」という新しい形の集落営農で若い移住者から農家を育てる動きが始まった。

本誌で何度か取り上げているこの方式。むらの現状に危機感を持ち、動こうという人たちの心に火を付けるらしい。
その他、地域おこし協力隊や特定地域づくり事業協同組合などを利用して農家を増やす動き、地域独自の「農地中間管理チーム」の仕組みなども取り上げた。また、農家が減る中で農地を粗放利用する品目として、枝物とヘーゼルナッツ、クランベリーに注目した。

そのほか、
どう変わる? 多面的機能支払の第3期スタート/どうする? 農村RMOの運営資金確保策/「財政審」が言っていることは本当か/「超小集電」を見た!/里山を舞台にフォトロゲイニング/農業を支援する「もう一つの災害ボランティア」/新連載・まちづくりは木から始まる、などの記事も。

ぜひ本誌でお楽しみください!