このコーナーは、「ゆるがぬ暮らし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む、全国各地の耳寄りな情報です。webではその中の情報ターミナルから“ちょっとだけ”公開します。

2時間で売上げ15万円と大人気
自治会と連携する「出前直売所」

能勢裕子


写真=高木あつ子

千葉から

八千代市の勝田台地区(約2000戸)は、1970年代に開発された新興住宅地。近年は70歳以上の住民が8割を超え、日常の買い物も困難になっていました。

そんななか、自治会の要望で昨年から始まったJA八千代市の「出前直売所」が、お年寄りの交流の場として人気を集めています。

農産物直売所「グリーンハウス勝田台店」の出前は、毎週土曜日の午前9時半~11時半の2時間。JAの担当者が野菜や惣菜、雑貨品など、毎回70種類以上の商品を2トントラックに積んで、会場となる地区の3カ所を巡回します。昨年は熱中症が心配な夏休み期間を除き、30回ほど開催しました。

出前直売所を定着・拡大させるためには、自治会の宣伝や手伝いが欠かせません。そこで、自治会では掲示板や全戸配布の自治会だよりを使って開催日や目玉商品を紹介するのです。さらに、出前直売の日は自治会役員やボランティアなど10名ほどが、客の呼び込みや商品の積み下ろし、交通整理といった手伝いもします。

運営面でもひと工夫。ハンディー端末を導入することで代金精算がスムーズになり、円滑な会計処理が可能になりました。また、バーコードシールで商品管理もバッチリ!「毎回2時間で120~150人が集まり、売上げは15万円以上」と、担当者も手応えを感じています。今後もJAの地域貢献活動から目がはなせません。

JA八千代市経済部指導販売課 電話047-459-8125

現代版花咲かじいさん
花桃並木に花見客

秡川 悟

長野から

上田市武石の余里集落には、全60戸が参加する「花咲じいさんクラブ」があり、集落の入り口から終点までの一本道に1989年から花桃を植え続けています。もともと余里には、樹齢100年ほどの花桃が毎年みごとな花を咲かせていました。これを集落全体に咲かせようと、各家で挿し木や接ぎ木を試しましたがうまくいかず、時間はかかっても種から苗木を育てるのがよいとわかりました。

男たちが中心になって苗木を植え続けた結果、約4㎞の道のりが2000本の花桃並木になり、4月下旬から5月中旬まで、きれいな花を咲かせます。連日おおぜいの花見客でにぎわい、県外から訪れる人もいます。期間中は集落で売店を設置し、みんなで育てた花桃の苗を1000~2000円で販売して、売上げは活動費に充てています。また、クラブに手数料25%を支払えば個人でも出品でき、山菜や山野草をお土産に販売して、おこづかいにしている人もいます。花桃のおかげで笑顔の絶えない明るい集落になり、80歳になるおじいさんは「おらたちの誇りだ」と語ってくれました。

北沢賢二さん 電話0268-85-0155

日本酒に煮干しを入れる
漁師の飲み方が大流行!

林倉一郎

香川から

観音寺市では最近、いりこ(煮干し)の頭と内臓を取ってあぶり、熱かんの日本酒に入れて楽しむ「いりこ酒」が流行っています。もともと同市伊吹島の漁師に伝わる飲み方でしたが、2009年、市内の旅館で島の漁協の会合が開かれたとき、旅館の主人が飲み方を教わり、お客さんに出してみたところ大好評でした。

香川は全国5位のいりこ生産量で、その8割を「伊吹いりこ」が占め、讃岐うどんのダシにも不可欠な存在ですが、いりこ酒は知られていませんでした。市では旅館や漁協、酒造会社などと、2010年8月、観音寺・伊吹いりこ普及推進協議会を発足し、伊吹いりこの基礎知識や料理法、いりこ酒のつくり方などが学べる「いりこ酒マイスター講習会」を開催。市内飲食店100人以上が受講し、ほとんどの店でいりこ酒が楽しめるようになりました。同年10月には同市の酒造会社「川鶴」が、いりこのうまみが引き立つ日本酒「いりこ酒の素」(720ml1000円)などを商品化。地元の酒屋やスーパーなどで販売され、出荷本数は1万本を超えています。

観音寺市商工観光課 電話0875-23-3933

生き残ったワカメで
「サポーター制度」立ち上げ

編集部

岩手から

本誌8号で大船渡市末崎地区の「北浜わかめ組合」の復興の動きをお伝えしました。

東日本大震災で大きな被害を受けた組合では、昨年5月、大船渡湾に漂うワカメを発見、そのめかぶから採苗し、11月初旬には無事発芽が確認されました。そして収穫のめどが立った1月末、ワカメサポーター制度を立ち上げました。

1口1万円でサポーターを募り、支援金は加工施設の再建費用などにあてます。サポーターには5月ごろ、支援のお礼として200g入りの袋で10袋、計2㎏のワカメが送られます。立ち上げから1カ月たった2月末時点で、341人456口が集まりました。岩手県の内陸部にある軽米町立小軽米小学校の5年生12名は、自分たちで育てて販売した米代金の全額約2万円余りを送金してきて、組合員たちを感激させました(引き続きワカメサポーターを募集中)。

3月はじめ、組合の共同の棚のワカメを全員で刈り取ることから「本刈り」が始まりました。漁港ではボランティアが加わって、ワカメの選別作業が行なわれ、浜に活気がもどったのでした。

北浜わかめ組合虹の会 電話0192-29-3207

農家と旅館をつなぐ!
ゆふいん盆地米プロジェクト

石川悠紀

大分から

全国屈指の温泉地、由布市湯布院町で、米プロジェクトが広がっています。旅館「草庵秋桜」の専務で、旅館の米を約8反の田んぼで自給している太田慎太郎さんは、農家を応援して温泉地の田園風景を守ろうと、2009年、由布院温泉旅館組合で「ゆふいん盆地米プロジェクト」を立ち上げました。旅館が地元の1農家につき30kgのひとめぼれの新米をJAや米業者より3割ほど高い1万円で購入(または旅館の1万円相当の食事券と交換)し、1㎏ずつ特製箱入りで6~7月の宿泊客(個人予約で1部屋2人以上利用)の希望者に贈るというもの。

温泉旅館組合の半分近い約40軒の旅館が参加し、旅館に米を出す農家も1年目10戸でしたが現在60戸に増えました。農家1戸につき30㎏と量は少ないですが、食事券との交換が農家に好評です。近所の旅館で食材がどのように提供されているのか見る機会になるほか、食事に行くことで旅館と関係ができるからです。これを機に、10戸以上の農家が旅館とお米以外の取引を始めました。宿泊客から米の問い合わせも来ています。

草庵秋桜 電話0977-85-4567

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