ルルロッソ東京進出!
北海道留萌産生パスタが大人気
西森信博
東京から
国産小麦を使った生パスタの店が東京秋葉原にオープンした。国産小麦パンを目にする機会は増えたが、パスタとなると皆無に近い。これは食べに行かねば。農文協の有志を募り、さっそく突撃!
その店はJR秋葉原駅すぐそばの「留萌マルシェ」。店名の通り、北海道留萌管内の産物を素材にしたイタリアン料理店だ。お目当ては、留萌産の小麦「ルルロッソ」を使ったパスタである。
原料小麦は「北海259号」。超強力小麦で、この品種に魅せられたひとりの農家が3年前から栽培してきた品種だ。わずか0・5haから始まった栽培は、仲間も増えて4haまで拡大。道内の江別製粉が製粉し、地元のフタバ製麺がパスタに仕上げる。
さて、料理である。平打ちされた生パスタがさまざまな料理に変身。どれもしっかりとした歯ごたえがあり、国産小麦の特徴である甘さと香りが口に広がる。しかも弱点だったベターッとした食感がない。これならいける!
日本の小麦を応援し続けてきた農文協だが、いよいよパスタも国産の時代に入った! 折しも2013年度から、学校給食のパンも国産小麦に切り替える体制づくりが本格化する。パン用小麦には、1俵当たり2550円の加算金も出る。逃げの小麦作から攻めの小麦作へ、機は熟した!
※「ルルロッソ」とは、留萌管内で栽培された小麦のブランド名。留萌の語源となったアイヌ語「ルルモッペ」と、イタリア語で赤を意味する「ロッソ」を組み合わせて留萌の夕日をイメージした造語。
山あいの地のごちそう
ワニの塩こうじ漬け焼き
塩入信宏
広島から 「ワニ」を食べるの?と驚いてしまいますが、これは広島県北部の言葉で、サメのこと。庄原市比和町で加工所を営む常泰喜美江さんから、このワニのおもしろい料理法を教えてもらいました。それはいま話題の塩こうじにワニを漬けて焼くというものです。
ワニの切り身は一晩塩こうじに漬け、アルミホイルをフライパンの上にしいて、漬けたワニを並べて焼きます。塩こうじのおかげでワニの臭みもとれ、鶏肉のようなうま味がして、もっちりとした食感になるそうです。
海から離れた庄原では、昔は魚といえば干物か塩漬けが普通でした。しかしワニに限っては、腐りにくいため刺身でも食べることができ、正月やお祭りなどのハレの日の料理に重宝されてきたそう。「刺身は酢味噌とともに。味噌漬けや南蛮漬け、唐揚げやカツにしてもおいしいよ」と常泰さん。
冷蔵庫が普及して山中でも簡単に鮮魚が入手できるようになると、ワニの身は独特のアンモニア臭がすることもあって、若い人はあまりワニ料理をつくらなくなったとか。しかし、最近ではワニは脂肪分が少なくてヘルシーと、その魅力が注目されているようです。
23年ぶりに石と岩が再会
みとのまぐわい祭り
編集部
三重から 多気町土羽地区の春の宮祭りで、男性の象徴の石棒を、1.5㎞以上離れた山中にある巨大な女性岩に引き合わせる神事。運ぶのは地区の女の子の役目で、石棒をみこしに乗せ、4人ほどで担いで山を登ります。
この石棒は、1962年に地元の篤農家が土中から掘り出したもの。なんと、縄文中期に子孫繁栄の願いを込めてつくられたものとわかり、以来、これを御神体として祭ることになりました。
しかし、祭り自体の簡素化が進み、89年からは石棒運びが途絶えていました。近年になってこの宮を拠点にして地域おこしをやろうという気運が高まり、有志15人が祭りの運営委員会を結成。復活に向けて、宮の掃除をしたり、女性岩までの山中の道を整備したりするなど、準備を進めていました。そしてついに今年の春に復活。
委員会のメンバーは20~40代の若羽会と60歳以上の老成会の人たち。「準備作業が、若い人と年配者との交流の場になった」と会長の北村久和さん。「これからはメンバーを増やして、もっと若い世代にも伝えていきたいです」。
多気町教育委員会 電話0598-38-1121
数字を入れて自動計算
小水力「事業計画試算シート」
長野から 小水力発電は太陽光発電や風力発電と異なり、利用する水の落差と流量がわかれば、あらかじめほぼ正確に発電量を予測できるのがいいところ。その上で、売電単価とにらめっこしながら事業採算を試算するわけですが、細かい計算は面倒! そんな方に朗報です。
長野県の温暖化対策課では今年5月末、小水力発電の採算評価が簡単にできる「事業計画試算シート」を作成。同課のサイトでダウンロードできるようにしました。
シートは表計算ソフトのエクセルを利用。使い方は、事業者が発電を想定する場所の使用水量(m³/s)や有効落差(m)、最大出力(kW)の基本データに加え、売電単価や工事費などの数字を入力すればOK。すると損益計画書や貸借対照表が自動的に計算され、事業期間内の利益剰余金の推移などが試算できるという仕掛けです。
また同サイトには「小水力発電事業導入の手引き」もあり、水利権の申請や各種届け出に関する情報がいろいろと掲載されています。
まずはグーグル検索で「小水力発電事業の進め方」と入力して、サイトをご覧になってください。
長野県環境部 温暖化対策課 電話026-235-7179
タネの交流で福島を発信
「ひまわり里親プロジェクト」
境 弘己
福島から 農業資材の専門店・アックス須賀川店の藤島康広店長は、2011年春から、ヒマワリを植えて育ててくれる里親を募集してきました。ヒマワリが除染にいいと聞き、県内のヒマワリをもっと増やそうと思ったことがきっかけ。収穫したタネは福島に送り返してもらい、タネを増やそうという計画です。
藤島さんは最初は種苗メーカーからタネを購入。県内の障害者の作業所に袋詰めをお願いし、1袋50粒、500円で販売することにしました。すると全都道府県から合計約1万6000件の注文があり、秋以降、藤島さんのもとに戻ってきたタネは5~6tにもなりました。今年はそれらのタネを福島で咲かせたほか、ふたたび全国に送って、さらにたくさんの里親に育ててもらっています。
最初は除染のために始めた企画ですが、障害者の雇用を確保したり、他県の方に福島のことを思ってもらったり、タネとともに送ってもらったメッセージの展示会やタネまきツアーを開いて観光客を増やすなど、いろいろな効果につながりました。今後は油を搾って販売することも検討しています。
種・ヒマワリに関する問合せ 電話080-1690-0711(藤島)
http://www.sunflower-fukushima.com/