今年1月で創業106年を迎えた老舗書店の小山助学館。「人々の学問の助けになりたい」という思いから、創業者・小山弥平は社名を「助学館」とした。創業したころは流通の便が悪く新刊も少ない。そこで自ら『徳島市街詳地図』や『阿波十二景絵葉書』などを出版して地元情報や文化の発信に貢献してきた。

「老舗書店だからこそ社員一人ひとりが出版文化を発信できる力をつけていきたい」と語るのは、5代目社長の大平健司さん(49歳)。

 社員教育の一環として目下力を注いでいるのが、2011年秋からスタートしたラジオ番組「小山助学館ブックカフェ」だ。あらかじめ録音編集をして週に1回、地元の「FMびざん」で放送されている。

 大平さん曰く「ラジオは本の宣伝もあるけど、社員のプレゼン力をつけるのがねらいです。いくら本に思い入れがあっても、お客さんに伝えられなければ書店人にはなれませんから」

 番組では毎回、助学館の社員が登場してイチ押し本を紹介する。ストーリーや読み方ガイドなど端的に伝えなければならないため、案外いい勉強になるそうだ。

 ときにはベストセラーの大物作家をゲストに招き、大平さんが自らインタビューする企画もあり、毎回作品の魅力を再発見できる内容が好評となっている。

「小山助学館ブックカフェ」は毎週金曜11時半から5分間、「レインボーMIX」の番組内に放送される。本日のゲストは絵本作家・こんどうゆみこさん(23歳)

 より多くのリスナーに店舗へ足を運んでもらえるようにと、「ミステリー傑作選」「野球小説はいかが!?」など、開催予定のフェアの告知にも余念がない。「ラジオを聴いて来ましたよ」というお客さんもいたりと反応は上々だ。

 一方、ラジオはマイナーな地元作家の発掘やプロデュースにも効果がある。県内出身の絵本作家・こんどうゆみこさんもそのひとりだ。番組収録後、大平さんは店舗配布用のうちわや商品を入れるビニール袋のデザインを依頼。こんどうさんの活動の舞台が広がった。

「番組の企画はいつも行き当たりばったりだけど、ここから地元の有名作家が生まれたらうれしいね」と笑う大平さん。そんな出版文化の発信拠点へ、今後もアンテナを向けていきたい。

小山助学館
〒770-0833 徳島県徳島市一番町3-22-2
電話088-654-2135
http://www.koyamajyogakukan.com/

文=農文協中国四国支部 原 敬介

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