このコーナーは、「ゆるがぬ暮らし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む、全国各地の耳寄りな情報です。webではその中のむら・まち元気便から“ちょっとだけ”公開します。

国会前安保法案反対デモに参加
運動は堰を切った

松原喜一


国会前安保法案反対デモに参加。運動は堰を切った

東京から
「どうも決壊したらしい」。歩道から道路いっぱいに人があふれ、歩行者天国状態になったというのだ。「ついに警察もあきらめたな。もっと早くに規制をやめるべきだったんだ」。人の群れで身動きがとれないなか、まわりからそんな声が聞こえる。8月30日の午後、国会正門に通じる大通りに次々とやってきて膨れあがる人々の流れは、歩道に囲い込もうとした警察の意図を突き崩した。安保法案反対の流れが大きく堰を切って広がった瞬間だった。
この日、雨にもかかわらず「戦争法案廃棄・安倍政権退陣 国会前10万人全国100万人大行動」で国会前には12万人が集まった。
会場で聞いた「SEALDs(シールズ)関西」の女子学生の発言が印象深い。発言は、イラクの戦火の中で、学校や病院に避難した非戦闘員の子供や老人たち、そしてこれを救おうとした救急隊員までを容赦なく殺した当時の米軍の「軍事行動」に及んだ。一瞬まわりが静かになる。皆が聞いているのだ。女子学生は、米軍のこの「軍事行動」は戦争犯罪だと断じ、「この法案が通ることでこういった殺人に日本が積極的に関与していくことになるのではないかと、本当にいてもたってもいられない思いです。国家の名のもとに人の命が消費される未来を絶対に止めたい。敵に銃口を向けて威嚇するのではなく、敵をつくらない努力をあきらめない国でいたい。私の税金が弾薬のために使われ遠い国の子供たちが傷つくのだけは絶対止めたい。私はこの国の主権者であり、この国の進む道に責任を負っているから」「戦争法案に反対します」。その場にいた学徒出陣世代のひとりは、「戦没学生も彼らのように生きたかったに違いない。シールズに代表される学生たちは戦没学生たちの生まれかわりだ」と語った。

猟師姿のかかしがニラミ
サルが畑に来なくなった

香川貴文


猟師姿のかかし

群馬から
みなかみ町の眞庭修さんは自宅2階の窓際にかかしを設置しています。すぐ隣の畑を見下ろし、監視しているかのようなそのかかし。知り合いの猟師さんにもらったオレンジ色のベストと帽子を着用し、手にはスコープ付きのモデルガンまで携え、まるで猟師さんのようなのです。
製作したのは3年前。眞庭さんの集落にはサルが群れて頻繁に現れ、畑まるごと被害に遭うこともしばしばでした。電柵やネットを設置してもサルにはあまり効きません。ある日、「さすがに2階なら大丈夫だろう」と干し柿を2階の窓際で干していたところ、なんと電線を伝ってきたサルがガラス戸を破壊して侵入! まんまと食べられてしまいました。「もう黙って見てられん」と奮起した眞庭さん、猟師かかしの設置を思いついたのです。
体には約2mの照明用のスタンドを使用、頭部には床屋さんでもらった散髪練習用の人形の頭を載せます。肩はハンガーで再現し、ベストを着せました。モデルガンはスコープ付きで6万円ほどしましたが「サルは目がいいから細部までこだわらないと」と奮発。満足いくものができました。
このかかしの効果は抜群。設置以来、近くでサルが出ても眞庭さんの畑に入ってくることはまったくなくなったといいます。
眞庭さんは「サルは頭がいいからもうじき慣れるころ」と考え、現在太陽光発電パネルを設置して、体の一部を定期的に動かしたり、LEDライトを点滅させたりできないかと実験中。サルとの知恵比べはまだまだ続きそうです。

養豚農家と大学と商工会が連携
「どんぐりコロコロ豚」誕生

向井道彦


どんぐりコロコロ豚は
平場ではなく山に放牧する

広島から
庄原市の養豚農家百間不二夫さんは、7年前から「どんぐりコロコロ豚」を生産しています。どんぐりコロコロ豚は、出荷直前に1カ月以上放牧し、その期間1頭あたり1日約500gのドングリを給与して育てた豚。きっかけは広島県立大学の村田和賀代先生が「イベリコ豚がやってみたい」と言い出したことでした。
商工会議所の協力で補助金をもらい、どう育てたらイベリコ豚に近い肉質になるか、調査・研究。出荷直前の仕上げの時期の飼育方法を変えることで、より近い肉質になることをつき止めました。
大量に必要になるドングリの収集には商工会議所が協力。地元の人から1㎏100円で集めて、それを百間さんに同じ価格で販売します。
7年目となる今は、年間約60頭生産。屠畜後は、市の施設「食彩館しょうばら ゆめさくら」内にある「ミート工房」で精肉加工し、消費者や地元の飲食店4〜5店舗に販売しています。普通の豚肉よりは少し値段が高くなってしまいますが、「食べてみると味が全然違う」と好評です。
最近は、「やっぱり生ハムをつくらねば」ということで試作中。かなりうまい生ハムができているそうで、こちらも期待大です。
養豚農家と大学、商工会が一体となった広がりのある取り組みだと思いました。頑張ってください!

庄原市商工会議所
電話:0824‐72‐2121

せっかくなら販売してみっか
簡易郵便局前のきまぐれマルシェ

佐藤嗣高


野菜はほとんどが1袋100円

三重から
大台町長ケ地区の大台長簡易郵便局前に簡易直売所「きまぐれマルシェ」が今年の6月から設置されています。もともと自給野菜の余りを交換し合っていた辻原久美子さんたちが「せっかくなら販売してみっか」と盛り上がったのが始まりでした。
現在では90歳のおばあさんを含む7人ほどが余った野菜を気楽に持ってきます。決まりごとは、「朝8時半から9時の間に出荷すること」「その日に収穫した新鮮野菜であること」「売れ残った野菜はその日のうちに引き取ること」という3つだけ。あとは値段も荷姿もおばあさんたちの自由です。
私の訪れた日は、朝9時の段階で30袋ほどあった野菜が11時にはわずか4袋。長ケ地区は他の地区の人がほとんど立ち寄らないような場所なので、お客さんも地元の人たち。自分の家ではつくっていない野菜を買うのだそうです。
子や孫に送っていた野菜でタネ代くらいは稼げるようになったとおばあさんたち。「来年はあれを播いてみよう」と畑仕事もがぜんやる気になりました。
みんながよく集まる場所ということで簡易郵便局に直売所をつくり、陳列台は建物の外に設置しています。集金は空き缶にお金を入れてもらう無人市と同じやり方ですが、郵便局にはいつも人がいるので盗難の心配はなく安心です。
郵便局長さんも「地域貢献の一助になれば」と協力的。ささいな活動ですが、小さく確かな経済循環がここにはあります。

きまぐれマルシェの会
電話:0598‐82‐2186

サービス依存症によく効きます
「シマグラシS錠」で移住促進

編集部


山口から
「シマグラシS錠」は周防大島町がIターン者を呼び込もうとつくった町のPRグッズ。東京で移住者フェアに参加したときなどに、チラシ代わりに配布しています。
手のひらサイズで一見すると本物の薬のようですが、よく見るとパッケージには「サービス依存症 治療用」「トカイハモウタク酸 配合」の文字。右下のマークも「iTurn(Iターン)」を表現しているようです。箱の中身はラムネが1錠? それと使用上の注意をまとめた紙が入っています。

使用上の注意(抜粋)
本製品はサービス依存症の治療に、不便な田舎暮らし・島暮らしを服用することを奨励するものです。
・一度に移住すると、身体が拒絶反応を起こす場合があります。お試し暮らしツアー、お試し暮らし住宅などで少しずつ服用してください
・サービス依存症が完治しないまま移住すると、あなたでなく、ご近所さんが拒絶反応を起こす場合があります
・島暮らしを始めても、サービス依存症は再発する恐れがあります。その場合は無理せずお近くの都会の空気を服用してください


さらに箱の裏面にはこんな効能も書かれています。
・コンビニがなくても暮らせるようになります
・真っ暗な夜が平気になります
・島人になれます

このユニークなPRグッズは昨年5万円で1000個作成。担当の定住促進協議会は「『シマグラシS錠』が町への移住を促す特効薬になれば」と今年も2000個ほど増産したそうです。

周防大島町定住促進協議会
電話:0820‐74‐1007

小さくても最高 地域の学校、売木小中学校

藤谷拓馬


村主催の「秋色感謝祭」でシュー生地に
ヨモギを混ぜ込んだシュークリームを販売

長野から
人口約600人の売木村の学校は売木小中学校が一つあるだけ。小学校児童30人と、中学校生徒12人の小さな学校です。校舎は共有で、職員室も図書室もランチルームも一緒。校長先生も一人です。山村留学制度を活用し、現在都会からも小中あわせて9人の子供たちが来ています。
学校と地域は一心同体。毎年9月に行なう大運動会は、午前が子供たち中心の運動会で、午後からが大人も参加する地区対抗の村の運動会です。4年生以上の児童でつくる「緑の少年団」が開会式での鼓笛隊を務めたり、中学生が写真撮影を担当したりと大活躍。卒業して村外の高校に通う卒業生も戻ってきてたいへん盛りあがります。
また子供たちは地域の人を先生として招いて、シイタケの植菌やキクの栽培、イワナ釣り、ワラビ採りなど他ではできない体験をしています。校庭や学校の近くに学年ごとの畑も持っており、できた野菜は給食で食べたり、文化祭で来場してくれた村民の方に販売もします。毎年子供たちが育てるサツマイモを買うのを楽しみにしている村民も多いそうです。
中学校の総合の時間では、「売木の味プロジェクトチーム」の生徒たちが町自慢のつみ草料理を提供する「つみ草食堂」と一緒に新メニューの開発を担います。これまでにヨモギシュークリームなどさまざまな人気メニューを生み出しました。食堂を運営するNPO「つみくさの里うるぎ」の代表原光秋さんも「子供たちの発想の豊かさには驚かされます」とおっしゃっていました。地域といっしょに、のびのびと子供たちが育つ、とても魅力的な学校です。

売木小中学校
電話:0260‐28‐2331

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