尾道市瀬戸田町は、瀬戸内海に浮かぶ生口島と高根島からなる人口約8000人の地域。メディアショップ友文館は、町唯一の書店として34年になる。
 社長の根葉博文さんは、「瀬戸田は国産レモンのメッカ。島の特産物を活かした6次産業化で地元を元気にしたい」と、書店業の傍らレモンリキュールの商品化にも取り組んできた。
 きっかけは5年前、知人でもある「椿き家」(広島県三原市の豆腐屋)の折笠廣司社長と株式会社レーモンドを立ち上げたことだ。この会社で酒類小売業と酒類卸売業の免許をとることで、書店の一角に販売ブースを設置。カフェもつくり、客同士の交流の場も提供している。
 原料のレモンは、すべて瀬戸田産で無農薬。相場に少し上乗せした価格で、1回に400㎏ほど買い取る。ちなみにレモンチェッロの仕込みに使うのは皮だけなので、実はジュースにして販売する。

店内で販売する「レモンチェッロ」。500mℓは3200円、150mℓは1000円(いずれも税別、アルコール度数は30%)。ソーダ割りのほか、かき氷やヨーグルトにかけるのもオススメ

 醸造は兵庫県丹波市の「西山酒造場」に委託。400㎏のレモンの皮で1回1000ℓほど製造する。本場のイタリアでは、レモンの皮をホワイトリカーに1週間浸ければ完成だが、根葉さんたちは国産の材料にこだわり、米焼酎に北海道のてんさい糖を入れ、2〜3カ月じっくり漬け込む。そうすることで、レモンの芳醇な香りがするリキュールに仕上がるのだそうだ。
「本屋は人を寄せてつなげる場。今後は農家をはじめ、地元でレモンに関わる人を主人公にした『レモンチックな人々』の出版企画やリキュール特区を活かした醸造体験など、書店人としても地元PRに励みたい」と根葉さんの夢はふくらむ。

1984年創業。本以外にも文房具やCD、ゲームソフトも扱う。尾道の市街地から瀬戸田港までは快速船で40分ほど

メディアショップ友文館
〒722-2415  広島県尾道市瀬戸田町中野408-59
☎0845-27-1310
営業時間9:00〜20:00(年始以外無休)

文=農文協中国四国支部 瀬戸啓太郎

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