北海道礼文町のBOOK愛ランドれぶんは、1993年にオープン。全国でも珍しい書店と図書室が一緒になった町営施設だ。もともとこの最北の島には書店も図書館もなかったが、当時の町長が岩手県三陸町(現在、大船渡市)の公営書店「ブックワールド椿」の取り組みを参考にし、旧通産省の補助金を受けて開設した。
 礼文町の人口は約2500人、書店の商圏としては規模が小さすぎる。しかし、図書室と合わせて教育委員会が運営することで、施設の維持費や人件費は町負担となり、書店経営が成り立っている。現在、教育長の岩城修さんが施設の館長を務め、教育委員会の臨時職員2人(うち1人は、元地域おこし協力隊)が書店の仕入れや運営を担当する。

ひとつのフロアに図書室・閲覧コーナーと書店コーナーがある。書店在庫は(一財)出版文化産業振興財団の支援を得ており、雑誌以外の絵本や児童書・文芸書を充実させている

 施設内の床面積は60坪ほど。図書室の蔵書は約2万7000冊で、その他に書店の在庫が約5400冊ある。選書はスタッフが行ない、フェリー発着港がある稚内市の書店を経由して仕入れる。スタッフ曰く「書店の売り上げは月11万円ほどだが、夏場の観光シーズンは、観光客が利尻・礼文の高山植物に関する書籍を買いに来るので、売り上げが2倍以上になる」。島内の遠方の地域で、出張販売や貸し出しのイベントも開催するという。
 また、数年前からポイントカードを導入。本を買うと100円につき1ポイント貯まり、50ポイントで1000円相当の本と交換できる。イベント時には児童を対象に、本の貸し出しにもポイントがつく特典もあり、還元率が高いことから町民に好評となっている。
 スタッフは「今後は、施設の利用が少ない10代後半から30代の層へのPRにも力を入れていくことで、書店の利用者を増やしたい」と話す。

役場の隣の礼文町民センター内にある。子育て世代や高齢者の利用が多い

BOOK愛ランドれぶん
〒097-1201 北海道礼文郡礼文町大字香深村字トンナイ558-6
TEL0163-86-2710
営業時間9:30〜16:30(毎週月曜日、年末年始は定休)

文=農文協北海道支部 高橋明裕

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