筑後市役所の1階にある小さな図書館が、2018年「子どもの読書活動優秀実践図書館」として文部科学大臣賞に選ばれた。この10年間で子供の貸し出し冊数が2倍以上に増えたことなどが評価された。館長の一ノ瀬留美さんは、自身が図書館を通して子育てしてきた経験から「生活と共にある図書館」をコンセプトに、高齢者や子育て主婦向けの「本の宅配サービス」やブックリサイクル「絵本の譲渡会」など、様々な企画を考案してきた。

2018年の「本de恋活」で知り合った2人が昨年結婚。図書館での前撮り(記念撮影)は、カップル成立の特典になっている

 仕事が忙しく図書館の利用が減ってしまう20〜40代をターゲットにした「本de恋活」もその一つだ。17年の開始以来、年2回、土曜日の閉館後に開催しているが、男女各7人の定員をめぐって毎回抽選になるほど人気がある。
 内容は以下の通り。最初に自己紹介を兼ね、持参したおすすめの1冊を紹介。それからグループに分かれて互いの本について語り合ったり、ボードゲームをしたり、和んだところで書架の間で1対1のフリートークに入る。最後は、一人ずつ気になった人を進行役の図書館スタッフに伝え、マッチングがうまくいったら連絡先を交換する。「ミステリー小説や旅行本、自己啓発本など、本を通してその人の趣味や性格が見えるのがおもしろい。マッチングの瞬間は毎回ドキドキです」。本de恋活を通してこれまでに18組のカップルが成立し、うち3組が成婚した。
 たとえその場でカップルになれなかったとしても、その後、月1回の「夜の読書会」に参加するようになり、新しい知り合いができたり、本好き同士でつながる人もいる。「本の貸し出しだけでなく、人がつながり、成長していく場でありたい」という一ノ瀬さん。これからも図書館ならではのユニークな企画がどんどん生まれていきそうだ。

本de恋活の会場。気になる相手と書架の間で語り合えるように席を用意

文=佐藤 圭(農文協 九州沖縄支部)

コメントは受け付けていません。