『よくわかる TPP48のまちがい』
TPPが日本の暮らしと経済を壊すこれだけの理由
鈴木宣弘・木下順子/著
A5 124頁 840円
●各項読み切りで簡潔に理解できる。末尾には関連する参照項目付き。
●29の図表、150項目の索引付き。
●付録:韓米FTAの問題点(ISD条項等)、特徴的な規定(全22章)を解説。
米韓FTA批准が強行採決された韓国で20~40代の青壮年を中心に強い反対運動が起きている。
国民的議論に付さないまま進めてきたこの協定が、とてつもない屈辱的、売国的条項に満ち満ちていることが白日の下にさらされたからだ。
今、米国議会では「TPPでは韓国から引き出した以上の譲歩を日本に迫る」という驚くべき議論が展開されている。本書はそうした状況や米韓FTAの内容も紹介しながら、TPPを推進する側の論拠、主張を48項目に整理し、そのまちがいを一つひとつ丁寧に解説した。各項目読み切りでどこからでも読める。
TPPが間違いであることを検証する48の項目
■PART1入門編 「わかりやすいTPP賛成論」の基本的まちがい6つ
- 1.アジアの成長を取りこむためにTPP参加は不可欠だ
- 2.お互い関税を撤廃しても安いものが買えるのはいいことだ
- 3.貿易自由化の流れは世界的な潮流なので逆らうのは時代錯誤だし、抵抗できるものではない
- 4.貿易立国で成長してきた日本だから、今後も輸出振興が生き延びる道だ
- 5.TPP問題は農業を取るか、国益を取るかの対立だ
- 6.農業界はTPPの被害ばかり強調して、自らの強化ビジョンがないではないか
■PART2 貿易ルール、経済、国の針路全般に関わるまちがい編
- 7.TPPはアジア太平洋地域の貿易ルールになるから参加しないと孤立してしまう
- 8.いずれにしてもFTAAPが目標で、どのルートで登るかが違うだけだ
- 9.中国も韓国も孤立を恐れて、いずれTPPに参加せざるを得ない
- 10.米韓FTAで韓国に先を越された分を、TPPで取り戻せ
- 11.TPPで「貿易円滑化」が一気に進む
- 12.日中韓や日・EUなど、他のFTA構想がなかなか具体化しないからTPPしか道はない
- 13.まずTPPを進めなければ他のFTAも進展しない
- 14.TPPで日本のGDPは増加するという政府試算は認めるべきだ
- 15.震災復興のためにTPPで農村を活性化する必要がある
- 16.アメリカへの従属関係においてしか日本の未来はない
- 17.TPP協定の内容がどうなるかは情報がなくてわからないから、早く参加した方がいい
- 18.「TPPおばけ」が根拠のない不安をあおっている
- 19.ISD条項は日本の従来のFTAでも入っているからTPPで問題にするのはおかしい
- 20.食品や農薬の安全基準は各国が独自に定める権利をもち、TPPで緩められることはない
- 21.韓国はFTAを推進しつつ、農業対策も強化して成功している
- 22.日本は米韓FTAを見習うべきである
- 23.例外措置は交渉次第で認められるから大丈夫、だめなら脱退すればいい
- 24.TPPは多国間協定だから日米FTAよりも緩やかな協定になる
- 25.FTAの増加は世界に自由貿易が広まる望ましい傾向だ
- 26.例外措置が少ないほど優れたFTAだ
- 27.農業分野が障害となってFTAが進まないからTPPしかない
- 28.農業のせいで国益が失われる-TPP問題は「農業保護VS国益」の対立だ
■PART3 強い農業、食料安全保障、日本農業化保護論などのまちがい編
- 29.関税を撤廃しても農家には所得補償があるから大丈夫
- 30.輸入米価格は、自由化の被害を最大に見積もる3000円ではなく、9000円程度と見込むべきだ
- 31.ゼロ関税まで10年の猶予があれば、農業はコスト削減して補てんの財政負担を縮小できる
- 32.補てん財源が足りなければ対象を大規模農家に絞ればいい
- 33.世界のコメの生産余力は限られているし、高品質な日本のコメは負けない
- 34.貿易を自由化して競争すれば強い農業ができる
- 35.競争を排除して既得権益を温存していては、成長できない
- 36.牛丼が100円安くなるならTPPに参加した方がいい
- 37.安さの追求は効率性の追求である
- 38.日本農業は過保護だからTPPによるショック療法が必要だ
- 39.日本の農産物が高いのは、価格指示政策のせいだ
- 40.国土が狭い日本だから、食料自給率が低下するのは仕方がない
- 41.日本は食料自給率引き上げが無理なのだから、あきらめて輸入依存の道を行くべきだ
- 42.施設園芸が成功しているのだから稲作も大丈夫だ
- 43.貿易自由化が不十分だから世界の食料自給は不安定化する。自由化を推進すべきだ
- 44.協定を結んで輸出規制を禁止し、安定供給の確約を取り交わせば良い
- 45.そもそも非効率な産業に補助金を投入する道理はない
- 46.生産を維持するには高関税ではなく直接支払い制度のほうがよい
- 47.TPPを契機に規模拡大してコストダウンすれば「強い農業」になる
- 48.強い農林水産業になるための対策がないではないかトダウンすれば「強い農業」になる
- 付録1.米韓FTAの問題点
- 付録2.米韓FTAの特徴的な規定
あわせて農文協ブックレット第3弾
「復興の大義」
もご覧ください。