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季刊地域vol.55(2023秋号)ゆるくらジャーナル

長野

地域の困りごとは宝物おてこ衆が解決

 筑北ちくほく村には、NPO法人「わっこ谷の山福農林舎やまふくのうりんしゃ」があります。「地域の課題を宝物としてとらえ、仕事にし、地域で活躍するプレーヤーを増やしたい」。こんな想いから2019年に設立され、15人のスタッフが、新規就農・就林希望者の支援、その他就労支援など、地域に住む人の相談窓口になっています。

 また「おてこ衆」派遣のシステムもあります。お手伝いさんを意味する長野県の方言「おてこ」が由来。軽度の障害を持つ人も含めて、20〜60代の120人ほどが登録しています。

 草刈りや農地の土づくり、収穫作業、引っ越しの手伝いや墓守など、年に170件ほどの依頼があるとのこと。依頼内容に合わせて、個々のスキルを生かせる登録者が派遣されています。料金は、依頼ごとに見積もりを提示して決めるそうです。

 刑務所を出所後に「おてこ衆」となったある方は、草刈りなどの仕事を手伝ったとき村人に言われた「ありがとう」の言葉が心の回復のきっかけになったそうです。

 代表の和栗たけしさん(47歳)は、それぞれの人に合った仕事と誰もが知り合える場をつくり、多様な生き方をしてきた人が活躍できる「なないろの社会」を目指したいと言います。

休憩中のおてこ衆

(農文協 津田美優)

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