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地域マーケティング講座連載季刊地域Vol.57 (2024春号)

和歌山

【社会起業家いのはらゆきこの地域マーケティング講座】第1回のおまけ① ~七つの質問 私の場合~

季刊地域vol.57(2024年春号)から始まった連載のはみ出し情報を不定期でお届けします! 本誌の記事と一緒にお読みください。

この記事では、本誌の連載で募集した「地域マーケティングを使いこなすためのワーク(七つの質問)」について、筆者の猪原有紀子さんの回答を掲載します。
「社会起業家いのはらゆきこの地域マーケティング講座」第一回はこちら

猪原有紀子(和歌山県かつらぎ町・くつろぎたいのも山々)

 連載1回目では私の実体験をもとに、地域マーケティングとはどんなものなのかを解説しました。記事の最後でみなさんに尋ねた七つの質問の中で、うまく答えられなかったものはありませんか? 例えば、顧客のことがよくわかっていない。類似サービスと比べて魅力的なところが思い浮かばない。そもそも顧客と全然話をしていない……などです。

 私のように、顧客が過去の自分の場合は、過去の自分がこれならお金を喜んで払う! と思えるサービスをつくればいいので簡単です。しかし、自分とは違う人が顧客の場合は、お客様と何度も何度も話をしなければ何に困っているのかわかりません。浅い理解のままサービスをつくっても、それでは魅力あるサービスにはならないので売れないのです。

「くつろぎたいのも山々」の場合はこうなります。ご自身の答えと比べてみてください。


A.未就学児を育てるお母さん

A.子連れのお出かけでの気疲れや体力面での大変さ。たとえば、子どもから目が離せない。ゆっくりご飯が食べられない。授乳とおむつ替えを衛生的に行なえる場所が少ない。子どもが騒ぐことを容認してもらえない雰囲気が辛い。

A.お母さんが疲れない仕組みが勢揃い。きれいすぎる授乳スペース、おむつ替えスペース。子ども用のトイレまで完備。大暴れ大騒ぎ大歓迎というコンセプトで子連れしかいないから気疲れしない。スタッフが子どもの遊び相手になってくれるから、ゆっくりご飯が食べられる。親の視界の中で、子どもがスタッフと遊んでるので子どもから目を離すことができる。

A.魅力的なものになっています。

A.顧客は過去の自分です

A.利益が十分出る価格設定です。

A.今後の課題は、新しい収益の柱の構築です。この農園運営のノウハウをオンラインプログラムにして、全国の農園関係者、自然体験施設運営者、キャンプ場運営者に提供していこうと考えいます。


いかがでしょうか?

 最後のあなたのビジネスの課題はなんですか? のところは、いついかなる局面においても(経営がうまく成り立っていたとしても)課題がなくなることなんてありえません。いつも、その時の課題は必ずあるはずです。すべての課題が解決された、なんて状態は永遠に来ないのです。

 だからこそ、トライ&エラーを繰り返し、改善、改善、日々改善。事業責任者ができることを増やしていくこと、人間力を高めていくこと、その営みの中で、利益が上がり、地域に貢献できる人材に成長していけるのだと思います。

 地域の資源を活用し、顧客が求めている魅力的なサービスをつくり提供することで利益を上げる営み、地域マーケティングも同じです。練習して、実践して、だんだん上手になっていく。地域マーケティングの実践者がこの講座によって増え、魅力的なサービスが各地方に誕生することを心より願っています。


著者:猪原 有紀子

兼業農家でありながらソーシャルビジネスを複数立ち上げる。「無添加こどもグミぃ〜。」販売、「くつろぎたいのも山々」運営、女性の社会起業スクール「SBC」主宰、株式会社やまやま代表取締役。

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