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季刊地域Vol.57 (2024春号)ゆるくらジャーナル

和歌山

小学生が播種から米販売まで 本格派田んぼの学校

「田んぼの学校」は全国各地で実施されていますが、有田ありだ糸我いとが町の場合は本格的に農業を教えています。

 糸我地区青少年育成会会長の山崎佳彦さん(72歳)によると、24年前から地域活動の一環として行なっているそうです。

 対象は有田市立糸我小学校の5年生。授業の中で、種モミの播種から米の販売までを学びます。栽培するのはきぬむすめという品種と黒米。計10aつくります。水田の一角で育てた苗をすべて手植えするそうです。

 また、無農薬で米をつくるためにアイガモ農法を採用。25羽のアイガモとアヒルに除草してもらいます。子供は1人1個アイガモの卵を配られ、それを孵卵器に入れるところから始まり、田植え後に育った雛を放鳥します。

 こうして収穫された米は地域の祭りで販売。なんとその価格も、スーパーマーケットで売られている値段を参考に子供たちが決めているそうです。

「一連の流れを経験しているからこそ、農業への認識がしっかりする」と山崎さん。

 なお、田植えには全校生徒が参加し、6年生が1年生に教える様子が見られるなど、学校内でも知識や経験が伝えられているのが素晴らしいと思いました。

(農文協 小林 優斗)

苗を移植するための苗取りの様子
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