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季刊地域Vol.66(2026夏号)ゆるくらジャーナル

埼玉

【埼玉から】軒先のミカンからクラフトビール あさかのきさき

本誌や『現代農業』などを携えて全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬ暮らし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む、全国各地の耳寄りな情報です。

作業場でミカンを搾る

 ミカンの産地ではない朝霞市で、ミカンのビールが誕生しました。農家の庭先に植わっているミカンを有効活用したいと思ったのが始まりです。教えてくれたのは直売農家の須田弘美さん(63歳)。市内でシェアスペース事業を営む滝澤いとさんと企画しました。

 農作業が落ち着く12月になると、須田さんは友人農家に収穫してもらったミカンの集荷に回ります。昨年は8軒から275kgを集め、10kg1000円で買い取りました。

 果汁を搾る1月までは、野菜の保冷庫で保管。ボランティアを集めて手作業で搾ります。薪で沸かした大鍋の湯にミカンをくぐらせると簡単に皮がむけるので、あとは人海戦術。皮も天日干しして漬け込むことで、ミカンの風味が感じられるビールになるそうです。

 ビールの名前は「あさかのきさき」。これには「軒先」と「妃」(女性)、両方の意味がかかっています。醸造と販売を担うのはさいたま市にあるブルワリーで、須田さんたちは、ミカン果汁の代金と、ボランティアなど協力者へのお礼に配る缶ビールを受け取ります。

 3年目の今年は、ミカンだけでなく庭先のウメもビールにしようと収穫しました。残ったミカンの皮で手拭いを染めたりと活動が広がっています。お金にはなりませんが、新しいアイデアを形にするのが楽しいそうです。

文=横山(農文協)

『季刊地域』66号(2026年夏号)「軒先のミカンからビール あさかのきさき」より

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