2021年7月5日発売 定価943円(税込)


特集 地域の防災力を強化 天災は忘れる前にもやって来る!


[今号の撮っておき]

野良に幼子のいる風景

 若いお母さんが水路の溝さらいと草刈り。傍らの草むらで幼児が遊ぶ。年配の読者の中には懐かしいと感じる人がいるかもしれない。p8の「大地の再生」ワークショップの一コマ。空気と水の流れをよくすることが、農地や里山の環境改善につながるというこの手法に惹かれる若者が多いこと、それも女性が多いことに驚いた。

 7年前、大阪市内で暮らしていた猪原さんは、イヤイヤ期の長男と生まれたばかりの次男を育てながら育児ストレスで落ち込んだ。その後、ひょんなことから和歌山の農村地域へ移住。そこで新たな課題に出合ったことから写真のような商品が生まれた。

 いま話題の「みどりの食料システム戦略」の目玉、有機農業100万ha運動も、担い手農家だけでは実現できない。兼業多業で農にかかわる人、農村で暮らす人を増やすことが要だろう。

──編集部

[今号の特集 田舎の本屋さん通信より]

 今号の特集は「天災は忘れる前にもやって来る! 地域の防災力を強化」。このところ毎年のように梅雨末期の豪雨災害が7月上旬に起きている。異常気象は日常化して、やって来るのは「忘れた頃」ではなくなった。

 特集は3部構成。「裏山・里山の被害を防ぐ」コーナーでは最近話題の「大地の再生」を取り上げた。スコップと草刈り鎌でできる裏山の防災対策だ。広島県尾道市のお寺の裏山を舞台にしたワークショップに16人もの参加者が集まった。具体的なやり方を写真で紹介している。また、鳥取県では「出前裏山診断」というおもしろい事業を展開中。講師を務める藤村尚先生に、土砂災害の前兆を把握する方法を解説してもらった。

「水辺の防災」コーナーは今年急拡大している「田んぼダム」の実際を取材。頻発する豪雨災害にもはや堤防やダムだけでは対抗できない。そこで、田んぼダムも含む「流域治水」という考え方が打ち出されているが、「霞堤」とセットで効果を発揮する「水害防備林」の効用を解説した記事もある。

「共助で防ぐ」コーナーでは、水害や南海トラフ地震などに備える各地の自主防災組織の工夫を取り上げた。住民どうし助け合う「マイマップ」づくりや、新旧の住民や若者と高齢者が世代を越えて顔をつなぐための「防災運動会」、防災を兼ねた婚活などのユニークな取り組みもある。

 第2特集は、5月に公表された農水省の「みどりの食料システム戦略」をテーマに据えた「みどり戦略にもの申す」。2050年に有機農業を100万haにする目標が話題になっているが、農水省の戦略に何が足りないかを当事者の農家が的確に指摘している。