むら・まちづくり総合誌
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44号 兼業農家・多業農家が増殖中!/炭焼きで山づくり
43号 免許返納問題に挑む むらの足/地方からコロナの壁に風穴を開ける
42号 雑木とスギの知られざる値打ち/自転車×農村の可能性
41号 山に農地にむらに木を植える
40号 気になる不在地主問題
39号 スマート農業を農家を減らす農業にしない
38号 水路・ため池・川 地域の水辺 防災と恵み
37号 ごみ処理は地方が一歩先を行く
36号 小さいエネルギーで地域強靭化
35号 転作・遊休地・山で小さく稼ぐ 農の手仕事
34号 地域力がものを言う 獣害対策
33号 継業 むらに必要な職業 誰が、どう継ぐ?
32号 山で稼ぐ! 小さい林業 ここにあり
31号 農産加工 上手に稼ぐ、続けていく
30号 赤トンボとホタルの増やし方 そしてミツバチについて
29号 どれがいい?むらの仕事のカタチ
28号 農家の土木・基礎講座
27号 むらの足最新事情
26号 小農の使命 むらで農家を増やすこと
25号 田舎でのパンとピザの可能性
24号 熱エネあったか自給圏構想
23号 日本列島ほろ酔い自給圏構想
22号 にぎやかなむらに!空き家徹底活用ガイド
21号 草刈りを担うのは誰だ
20号 米価下落に反撃開始!お米の流通読本2015
19号 地域資源だ 荒れ地のカヤ
18号 地域おこし協力隊をむらにとりこむ
17号 「むらの婚活」がアツい/飼料米、地域の所得アップにつなげたい
16号 新春!ドブロクこそ規制緩和を/山、見て見ぬふりをやめるとき
15号 獣の恵み 皮・角・肉を利用する/農家・農村は、企業とどうつきあうか
14号 農村はアベノミクスにだまされない/むらの葬式/もっと使える水の力
13号 地あぶら・廃油・ガソリンスタンド―「むらの油」を宝に育てる
12号 薪で元気になる!
11号 地エネ時代 農村力発電いよいよ
10号 「人・農地プラン」を農家減らしのプランにしない
9号 耕作放棄地と楽しくつきあう
8号 後継者が育つ農産物直売所
7号 いまこそ農村力発電
6号 東北(ふるさと)はあきらめない!
5号 TPPでどうなる日本?
4号 廃校どう生かす?/宮本常一と『あるくみるきく』日本
3号 空き家を宝に/戸別所得補償制度どう生かす
2号 高齢者応援ビジネス
1号 農産物デフレ
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[今号の撮っておき]

困りごとを仕事に
地域の困りごとを仕事おこしにつなげるのは本誌のテーマの一つだが、子育てで困った経験を、同じ境遇の若いママたちに喜ばれる仕事に結びつけたのは猪原有紀子さん。
7年前、大阪市内で暮らしていた猪原さんは、イヤイヤ期の長男と生まれたばかりの次男を育てながら育児ストレスで落ち込んだ。その後、ひょんなことから和歌山の農村地域へ移住。そこで新たな課題に出合ったことから写真のような商品が生まれた。
これ以上はネタバレになるので、p98からの記事をご覧ください。元気が出ます。
その記事にはないことで今号の特集と関わる話を加えると、人生をかけて「子供にとってよい社会を残したい」猪原さんは、原木シイタケのホダ木を並べた上で太陽光発電(ソーラーシェアリング)も始めている。
──編集部 写真=猪原さん提供
[今号の特集――田舎の本屋さん通信より]
菅義偉首相は首相就任後初の所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにして脱炭素社会の実現を目指すことを宣言した。いまだ収束が見通せない新型コロナの陰に隠れてきたが、この首相宣言を機に世の中が「脱炭素化」に向けて急に動き出している感がある。
脱炭素化とは脱化石燃料のこと。化石燃料依存を抜け出すカギは再生可能エネルギー、すなわち『季刊地域』でいう「地エネ」(地域のエネルギー)の普及拡大だ。これは、農村から電気代・燃料代が大手電力会社や海外へと「だだ漏れ」するのを防ぐという意味をもつ。
記事では、町をあげて地エネで脱炭素化に取り組む事例やFIT(固定価格買取制度)を活かした太陽光発電の最新事情、発電した電気を直流のまま利用するメリットと方法などを紹介した。ソーラーパネルの価格低下とともに、従来は一部のマニアが取り組んできたオフグリッド(電力会社の送電網から独立した)の地エネ活用が、一般の人でも取り組みやすくなっている。ふだんは地エネを自給自足しながら、足りないときに電力会社の電気に切り替えられるシステムもある。いわば電気のDIYを楽しむのにも役立つ。
また、電動トラクタの開発事情を研究者に聞いた記事は近未来農機の可能性を感じさせる。じつは電気で動くモーターはエンジンよりも農業機械に向いている。エネルギーの利用効率が高いうえ、作業にともなう騒音・振動が大幅に減るという。
それにしても「脱炭素化」とはおかしな言葉ではある。地球上の生命は炭素の循環に支えられている。炭素を燃料としてしか考えないから「脱炭素」なのだろうが、農家にとっては違う。農業とは、炭素を腐植として地力化したり、大気中のCO2を光合成によって生命につなぐ営みである。具体的には、生ごみや炭を農地で活かして「脱炭素化」につなげる方法、カーボンオフセット制度を森林管理に活かす町の取り組みなども取り上げた。

畑で野菜を育てながら発電するソーラーシェアリング(千葉エコ・エネルギー)