2017年10月5日発売 定価926円(税込)


特集 農産加工 上手に稼ぐ、続けていく/種子を引き継ぐ


[今号の撮っておき]

新しい玄米ご飯

 収穫の秋である。写真は、巨大胚品種「金のいぶき」(宮城県古川農試育成、p74)の玄米おにぎり。大きな胚が、白ゴマの粒でも混じっているかのようにポツポツ目立つ。胚とはイネの種子の命そのもの。それが大きいのだから、いかにも健康によさそうだ。

 巨大胚の品種は以前からあった。金のいぶきがおもしろいのは、従来の玄米より食べやすく、おいしく、ふつうの炊飯器で白米と同じように炊けることだ。勝因は、巨大胚品種をもちもちした食感の低アミロース品種と交配したことなのだが、それで必ずおいしい米ができるとは限らないという。偶然がもたらすこういう育種が、生産性重視の民間企業にできるだろうか。

 種子法を廃止した政府は、農業試験場の成果を企業に提供するという。それでは、国民の税金で行なわれた研究で企業が利益を上げることになる。企業はさらに育成者権を主張して、高額なロイヤリティをとるかもしれない。京都大学の久野秀二先生はこれを「二重の収奪」といっている。

 さて、金のいぶきのご飯。確かに、毎日食べていても飽きないおいしさがある。とくに女性に人気というが、便通にも効きそうだ。

──編集部