全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬくらし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む全国各地の耳寄りな情報です。

館山市で直売所などを運営する株式会社ふれあい神余の里の松坂義之さん。昨年6月に酒造免許を取得して酒づくりを始めた。原料は地元のまえだファームのコシヒカリ。米と米こうじでつくるが、アルコール度数を下げたマッコリ風にして「かなマッコリ」と名付けた。
販売方法がおもしろい。毎月第3土曜日に開催するマルシェで量り売りしている。価格は900ml500円とかなりお得だ。容器代などがかからないので、これで十分利益が出る。農産物などのマルシェに「酒を買いに来る客」が加わり客層が厚くなった。多い時は月100L以上売れるそうだ。
まえだファームと一緒にクラフトサケもつくる。取得した酒造免許は「その他醸造酒」の免許で、清酒はつくれないが、搾って清酒状態になった酒100Lにハチミツ10gを入れると、クラフトサケとして販売できる。
この免許では年間最低6000L生産するルールがあるが、かなマッコリとクラフトサケの組み合わせで販売量アップにつながっている。さらに現在は、かなマッコリを元にお酢づくりにも挑戦中だ。酒造免許があれば、米酢をつくるのは申請だけですむ。
地元の米で酒をつくって、地元の人たちに飲んでもらう。松坂さんは「6次産業化の手伝いをして農家を応援したい」と言う。
(農文協 編集部)