





『季刊地域』2025年秋号(10月6日発売)の特集は「米騒動の『次』へ お米と田んぼの誘引力」。小さい米づくりを実践する先輩農家に聞いた、役立つ道具や機械をご紹介します。
※価格は公開日時点の情報です
『季刊地域』63号(2025年秋号)
まとめ=編集部
冬期湛水後の不耕起直播栽培に、ドラムシーダー
無肥料無農薬の不耕起栽培で米を50aつくる陶武利さん(千葉県君津市)が、直播きするのに中国から取り寄せた。送料込みで4万円ほど。冬期湛水後、落水した田んぼを歩きながらコロコロ転がしていくと、10aの播種が10分で終了する。

六角田植え枠
長さ240cmほど。コロコロ転がすだけで、苗を植えるための正方形(31cm四方)の格子跡がつく。森田一平さん(島根県邑南町)が地域の農家から借りたもので、田植え体験イベントで使った。イベント参加者からは、道具は簡単なつくりだが実用的な形が美しいという感想も聞かれたそうだ。

小回りが利くトラクタ
ヤンマー アグリカA-10D
宮城県南三陸町に移住してきた石井洋子さん(51歳)。今年から集落の休耕田(6.5a)を借りて米づくりを始めた。「小回りが利いて安心感がある。小さいから大きな失敗もしない」と話すのが写真のトラクタだ。こんな小さいのでうまくいくのかよ!と初めは心配していた近所の人も驚いていたらしい。
このトラクタは近所の農家・阿部博之さん(67歳)が3年前に中古で購入したもの。石井さんはいろんな人に助けられて米づくりを始めたそうだが、阿部さんはこのトラクタを無料で貸して、石井さんの米づくりを応援している。

田植え作付け線引き
自給自足生活をする近藤宏行さん(三重県松阪市)が木材と竹で手づくりした。竹の棒が等間隔(34cm)に取り付けてあり、縦横に引いて線を引く。30cmより広くしたのは、病気に強い健康なイネに育てて無農薬栽培するため。
*近藤さんが運営するブログ「自給自足の小さな暮らしーろん農園ー」

足踏み脱穀機
笹川農機
笹川隆社長によると、今年はなぜか普段より2カ月早く、7月から注文が入っているそうだ。毎時60kgの脱穀能力のFS-410(5万7260円)のほか、ダイズにも使えるTB-450(7万3700円)、電動で毎時90kgの脱穀が可能なMP-410(11万9900円)もある。

オギハラ工業
自給米やこだわりの品種(古代米など)をつくる農家や、農業体験で使うといった需要があるそうだ。毎時80kgの脱穀能力のMR-400BW(7万8100円)と電動で毎時100kgの脱穀が可能なMR-400MD(14万5750円)がある。

唐箕
笹川農機
モミ・ソバ・大豆など穀類の選別に。手回しのB-2(5万9950円)と電動のBM-2H(7万8100円)がある。

オギハラ工業
可変モーターにより風量調整が可能で、ゴマなど細かいものが選別できるD-3(14万3000円)が今年から新登場。手動式のF-1(5万5880円)と電動式のF-2(9万7790円)もある。

はざ掛けセットほすべー
南榮工業
今年は例年より3~4カ月早く、6月から注文が入っている。代理店経由の情報では、小規模の農家が米をつくる量を増やし、追加購入しているとか。1段掛け・5畝歩セット(稈の長さ約60m)10万7800 円、3段掛け・5畝歩セット(稈の長さ約20m)8万2280円。


1本はざ(杭掛け用)
内山大鍜冶屋
秋田県のJAから、木製の稲杭の代わりになるものをつくれないかと依頼を受けて開発。イナワラの活用が目的らしい。5本組で1万3850円。40本で10a分のイネが干せる。

