ホーム / 試し読み / 季刊地域vol.55(2023秋号) / 再生した棚田でオーナー制、にぎやかに収穫体験
季刊地域vol.55(2023秋号)ゆるくらジャーナル

群馬

再生した棚田でオーナー制、にぎやかに収穫体験

 沼田市薄根うすねで一番高齢化が進む石墨いしずみ集落。ここの美しい「石墨棚田」が2022年、農水省の「つなぐ棚田遺産」に群馬県で初めて登録されました。背景には2018年に始まった棚田の再生活動があります。薄根地区振興協議会で、若手も加わり地域をよくするために何が必要か議論し、決まったそうです。

 しかし10年以上放置された棚田の米づくりは、2年続けてうまくいきませんでした。土が肥えてチッソが多かったので、イネが激しく倒伏してしまったのです。茎を硬くするためケイ酸カルシウムを入れるなどの工夫で3年目から収穫できるようになりました。

 2019年からは棚田のオーナー制度を導入。田植え体験やホタル祭り、収穫体験にたくさんの人が訪れるようになりました。ファミリー向け、法人向け、ホリデーファーマー向けから選べ、ファミリー向けの料金は、100㎡で3万6000円です。

 毎年続けてくれる方もおり、現在は32組1法人のオーナーがいます。東京や神奈川など県外からもやって来ます。多いときは100人近くの人が集まるそうです。

 収穫体験の日は、薄根の住民がお昼を用意。育てているお花をブーケにしてプレゼントする人もいて、地域の人たちもやりがいを感じているようです。

田植えをするオーナー

(農文協 多田勇慈郎)

この記事をシェア
タイトルとURLをコピーしました