
『季刊地域』64号(2026年冬号)「ナラ枯れ被害木でシイタケを栽培」より
全国的にナラ枯れの被害が広がっています。筆者の松本圭二さんが暮らす村でも、年間500m³以上の被害が出ています。松本さんは地域のボランティア仲間とともに、廃棄されがちなナラ枯れ被害木の新たな活用として、シイタケ栽培に挑戦しています。
執筆者:松本圭二(山梨県山中湖村・山中湖おもてなしの会)
生まれも育ちも山中湖村です。ボランティア団体「山中湖おもてなしの会」を地域の仲間たちと立ち上げ、親子でのごみ拾い活動や地域住民が楽しめる企画を考えて開催しています。その一つとしてナラ枯れ被害木の活用を始めました。
村では年間500m3以上のナラ枯れ被害が出ているといわれており、村が主体で被害木の貯木場を整備し、薪の販売を進めています。あるとき、近所にある東京大学富士癒しの森研究所でキノコづくりの話を聞いたことがきっかけで、ナラ枯れ被害木でのキノコ栽培に挑戦してみました。
山中で枯れた木を探し出し、伐採して重機で運び出します。根やナラ枯れ菌が入った部分は薪にして、残った部分の幹や枝をキノコ原木にしました。植菌したのはシイタケ、ナメコ、タモギダケです。春に植菌し、梅雨明けまでは原木を寝かせた状態で置いておき、10月頃に立てた状態に置き替えました。山中湖村は湿気がかなり多いので、植菌後も定期的な水の散布はしていません。

シイタケは100本ほど植菌。1年目は出ませんでしたが、2年目に大量発生しました。味も一般的な原木栽培と変わらないと近所の料理人から太鼓判がもらえました。ナメコは太めの木に種菌を打ち込み、やはり2年目から発生し、大ぶりのナメコがとれました。タモギダケは残念ながら発生しませんでした。

気になる収量ですが、一つの原木からとれるのは1kg以下でした。栽培に詳しい方からは、ナラ枯れ菌の影響で、キノコの生育が悪いのかもといわれました。私もまだ実験途中でお伝えできることは少ないですが、ゆくゆくはナラ枯れ被害木で育てたキノコが、村の特産品になればと考えています。

シイタケ菌はナラ枯れの菌を駆逐するので被害木を原木栽培に使えることが知られている。ルーラル電子図書館で『現代農業』2023年11月号p177「ナラ枯れの薪やホダ木が人気」をご参照ください。

