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試し読み季刊地域Vol.54(2023夏号)ゆるくらジャーナル

岩手

家から見えるお盆の花火

水田の上で開いた花火

 毎年8月14日、奥州おうしゅう市江刺藤里地区の空には花火が打ち上げられます。地域づくりの一環として2019年から始まりました。13日のお盆休みに遠くに住む家族が帰省しても、翌日すぐに戻ってしまうことが多い。もう1泊して地元にいる日数を増やしてもらうことを狙って、花火は14日に上げています。

 主催は藤里ファイヤーワークス(FIREWORKS)。花火といえば「遠くに出かけて観るもの」というイメージがありますが、代表の佐々木嘉春よしはるさん(52歳)は、移動の足がない人も、気軽に外出できない事情の人も、家から打ち上げ花火が楽しめたらいいなと、地元で花火を上げることにしたのです。

 打ち上げ場所は地域内3カ所。1カ所だけだと家の近くから見えない集落が出てくるからで、さらにその場所も毎年変えています。

 ファイヤーワークスの7人のメンバーは、その年花火を上げる場所周辺の人を重点に1口1000円からの協賛金を募ります。なかには3万円出してくれる人もいて、昨年は99件(個人88人、企業6、団体6)の方々から約55万円の開催費用が集まって、無事に花火が上がりました。

 佐々木さんは「花火なら手間もかからないし、嫌いな人はいない。メディアにも取り上げられやすいから地域のイベントに打ち上げ花火はオススメだよ」と言います。

(農文協 津田美優)

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