室根山の麓、一関市室根町に「道の駅 むろね」があります。その直売所に、ひときわ目立つポップで飾られた「むろねの賛笑漬」という瓶詰めの漬物が並んでいました。開発に携わった室根特産品開発プロジェクトのメンバー、小山美津子さん(75歳)にお会いしました。
2018年に始まったプロジェクトには、室根の特産品をつくろう!という農家のみなさんが集まりました。この地域には、細かく刻んだトウガラシ・醤油・こうじを1升ずつ漬けた「三升漬」という郷土の調味料がありますが、地元の農産物を使ったオリジナル「三升漬」を開発しようと意気込んだそうです。
翌年から本格始動したものの、味や保存性の面で失敗の連続。料理研究家や微生物の専門家に指導を仰ぎながら、試行錯誤を重ねに重ねて、室根産のキクイモ・ゴボウ・ニンジン・シソの実を加えた室根オリジナルの三升漬が、22年末に完成しました。「ピリ辛」と「鬼辛」の2種類あります。
プロジェクト発足から商品化までなんと5年! 地元室根を想う農家たちが、地元の農産物を活かした「むろねの賛笑漬」。豆腐やギョーザ、パスタやピザなどなんにでも合う万能調味料として道の駅でも人気だそうです。
(農文協 橋本和徳)