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季刊地域No.62(2025夏号)ゆるくらジャーナル

佐賀

「地エネ」の売り上げで住民の困りごと解決、高齢者支援

全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬ暮らし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む各地の耳寄りな情報です。

小水力発電所の前に立つ多良さん

 吉野ヶ里町松隈地区の多良正裕さん(74歳)は、集落全戸が株主となっている松隈地域づくり株式会社の代表だ。小水力発電所(30kw)を運営して5年。1年間の売電収入800万円のうち100万円を水利権・用水路使用料として地区に支払っており、このお金を活かしたむらづくりが注目を浴びている。

 まず行なったのが、各世帯から毎年集める地区負担金の減額だ。1万2000円を8000円に減らした。反対に、地区の共同作業の日当は3500円から7000円に増額し、男女格差も解消。高齢者には「顔を出してくれればいい。あなたが元気でいることが地域のためになる」と、集まりに参加さえすれば同額を支給している。

 認知症と運動不足対策を狙って始めたのは「温もりカフェ」。5人以上のグループで申請・活動すると、経費や講師謝礼金を補助する。目下、「男の料理教室」が年4回ほど開かれている。多良さんはここで学んだことを活かして2年前から家族の朝ご飯担当になった。

 また、「松隈里山守り隊」は、休耕田や放置竹林に困っている住民のお助け制度だ。住民の負担を減らすため、隊員の日当の半額や燃料代を地区が負担する。

 他にも移動支援などにも取り組んでいて、松隈地区には週に1回の頻度で視察が絶えないとのことだった。

文=秋葉悠己(農文協)

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農文協 編
特集:有機農業 点を面にする
農文協 編
日本人の高齢化や人口減少などにより、農村も担い手不足や荒廃農地の拡大といった課題に直面している。10年後の地域農業を守るため、「地域農業の未来像」と「誰が、どの農地を、どのように使うのか」を決める話し合いが行政、農業者、地域住民、関連団体などが集まり議論されている。 粗放的農地利用は、手間をかけずに農地を守る利用法で、農地の使い方の一つとして注目されている。本書では、放牧や蜜源作物の栽培など粗放的利用の事例と円滑に話し合いを進めるヒントを掲載。地域の未来に役立つ一冊。
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