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季刊地域Vol.57 (2024春号)ゆるくらジャーナル

岩手

農村RMOで地域資源の活用 ため池を人を呼ぶビオトープに

 花巻市の谷内第一行政区に住む合澤誠一さん(66歳)は「たてまち地域づくり協議会」の代表。協議会では昨年から、農村RMOモデル形成支援事業(季刊地域57号p41)を利用した地域づくりを始めています。
3集落からなる棚田地帯に84haある圃場は、1967年に開墾整備されたまま。棚田は畦畔含めて1枚が10aで田面は8a。大型機械で農業をすることは想定されていません。担い手不足により、それを1人当たり3ha維持管理することを迫られています。

 農地を維持するには圃場整備が必要です。また、棚田の景観を守っていくためにビオトープや貸し農園などで地域内外の人の関心を高め、交流人口を増やし、いずれ定住人口にしていきたいと合澤さん。それには空き家の活用を考えています。

 棚田の中には、かつて使われていたため池が点在しています。家庭排水が一切入らないそうで、これを農村RMOの機能の一つ「地域資源活用」として、ビオトープにしたいそうです。まずは生きもの調査をして、そこにいる生物を守ることや、ホタルがたくさんいた頃の風景の復活につなげたいとのこと。それに、「農用地保全」として、遊休農地を貸し農園や福祉農園として活用していきます。

 こんな展望を、開墾碑の前でニコニコと話してくれました。

(農文協 小篠健太郎)

谷内第一行政区の棚田
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