高校卒業後に上京し、30年ほど東京で暮らしたという七尾有紀さん。能代市に昨年3月にUターン後、地域おこし協力隊に就任しました。移住定住支援担当として、能代市に移住した女性を対象に「のしろ茶話会」という集まりを2カ月に1回開いてきました。
地方への憧れを抱いて移住した方、家族の仕事の都合で移住した方など、境遇はさまざまですが、それぞれに悩みがあります。近所の方に雪かきを頼んでいいのか、ちょっとだけ子供を預けてもいいのか、「もっと頼ってけろ」という住民の言葉を素直に受け取っていいのか……。
そこで、定員5人の予約制で始めたのがのしろ茶話会です。内容は、先輩移住者の話を聞くほか、互いに悩みを打ち明け合うフリートーク、そして、アロマアドバイザーの資格を有する七尾さんによるアロマオイルづくりです。まさに心も体もリフレッシュしてもらう場。飲みの場などがあまりない女性が気楽に相談できる受け皿を目指しています。
そこでのやり取りは「のしろ茶話会通信」にまとめ、市役所に報告するほか、参加者にフィードバックしています。移住に際しての悩みを受け止める場を設けることで、定住につなげる。大事で素敵な活動だと思いました。
(農文協 櫻井歓太郎)