敷地内に森があり、子供もママも妊娠中の方も通える保育園。昨年4月に南城《なんじょう》市にできた、その名も「おなかの中から保育園」です。認可外保育園ですが、定員の13人は埋まっています。
無農薬マンゴーをつくる軌保博光さん(55歳)がその園長。育児放棄や児童虐待のニュースが流れるご時勢で、「安心して子供を産める環境が必要だ」と保育園設立を考えていた時、農園の手伝いに来ていた助産師から「妊娠中も通える保育園はどうか」と言われたことがきっかけでした。
妊婦さんたちは週に1度来てくれる「助産師」に会いに保育園に通います。子育ての不安や心配事を相談したり、森の中で体を休めたりしています。子育て中のママも、ハンモックで睡眠不足の解消。気持ちのよい環境で不安やストレスを減らせれば、それがそのまま子育てのサポートにつながるのです。
子供たちも森で自由に遊びます。自然は室内とは違って安全なものばかりではありませんが、屋外での遊びを通して子供は学び成長します。
働いている保育士さんたちからは「自然の中で育つからなのか、他の保育園に通う子供たちより言葉を話すようになるのが早かったり、成長が早いような気がする」と、うれしい声も聞いているそうです。
(農文協 杉野沙歩)