
東白川村では、地域の農家がつくった野菜を町場に運んで販売する「フレッシュ便」に取り組んでいます。役場が補助金を出し、村の第三セクター 「株式会社ふるさと企画」が2016年から続けています。
村内にも直売所を併設した道の駅があるのですが、そのすぐ隣に集荷所があります。農家は毎週水・土曜日にここへ野菜を持ち込み、出荷伝票に販売希望価格を記入します。職員が袋に詰め「フレッシュ便」ラベルを貼って、車で1時間以上かかる可児市の産直市場2カ所へ運びます。
出荷者は64人。70〜80代の家庭菜園に取り組む小さい農家がほとんどで、女性が多いそうです。出荷者には、可児市の売り場に並ぶ他の野菜の価格や売り場の様子などがLINEで届くので、価格決めの参考にしています。
昨年のフレッシュ便の売り上げは650万円。農家の収入は確実に増えています。出荷者からは「村内では販売数量が限られて、売れ残りがあったけど、ほとんど売れるから嬉しい」という声が聞かれています。可児市の産直市場の一つ「湯の華市場」には東白川村コーナーがつくられ、陳列時からお客が待っていることもあるほどで、ファンもついてます。
今井俊郎村長は「農家の生きがいや所得向上になれば、農地を守ることにもなる」と言います。
(農文協 橋本和徳)