全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬくらし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む全国各地の耳寄りな情報です。

ゲンジボタルのオス
鶴岡市の森片集落では16年間ホタル調査を続けています。発起人は、多面的機能支払組織・森片地区農地水環境保全会の事務局で中学理科教諭だった中里浩也さん(63歳)。2008年にホタル観賞会を開催したのを機に、20戸が当番制で続けています。調査期間は6~8月で、各家3~4回の当番が回ってきます。
当番当日は、調査に必要なものが入った「ホタルバッグ」を持って調査地へ。バッグに用意された地図上に、ホタルの飛翔場所と数を×印で記入。気温と湿度、気づいたこと(月明かりや風向き、水の量など)も記録し、30分ほどで終了です。飛翔数は集落のLINEグループでもすぐに共有。ホタルバッグを次の当番に届けます。
これまでの調査によると、ゲンジボタルは底が砂で湧き水が流れる水路に、ヘイケボタルは水田に出没します。発生時期はゲンジが6月、ヘイケは7~8月。数が一番多かったのは12年の3724匹、24年は201匹と過去最少でした。
ゲンジは水路の土手で6月中旬頃羽化します。調査を始めてから、そのピーク時期は草刈りを避けたり、田んぼではホタルのために以前より弱い農薬を使うようになりました。
近年の飛翔数が少ないのは、砂の水路に泥が堆積しゲンジのエサのカワニナが減ったからでは、と中里さん。どうしたらいいか、様子を見ているところです。
(農文協 横山宗和)