宮古島市の農事組合法人豊農産は、地域のサトウキビ農家57軒から60haの機械作業を受託しています。
沖縄の農家には、先祖代々受け継いできた農地を大切にし「貸さない・荒らさない」の精神が根底にあります。しかし耕作放棄地が増えてきました。
それを豊農産が引き受けたいが、農地を借りるのは難しい。そこで地権者の農家には草取りなどをやってもらいながら機械作業を受託して、共に作業をすることを選びました。
その機械作業では女性が活躍しています。3年前にトラクタの自動操舵システムとドローンを導入しました。自動操舵で操作がラクになったこともあり、トラクタには3人の女性が乗るようになりました。また、ドローンの資格取得に必要な費用を法人が全額負担し、2人の女性がこれで肥料や農薬を散布するようになりました。
代表理事の辺士名忠志さん(61歳)は、「一緒に働いていると、機械操作の飲み込みが早くて驚いた。農業機械に慣れていない人でも、力仕事が苦手な人でも、簡単に使える機械が増えたことで雇用の幅が広がった。力仕事は男性に任せて女性に機械を使ってもらうと、地域の農業にはまだまだ伸びしろが生まれる」と言います。
(農文協 三上允杜)