一人暮らしの高齢者や老老介護の高齢者世帯が増えている一関市千厩町小梨地区。民生委員や老人クラブの仲間同士で定期的に見回り活動をしていましたが、コロナ禍で最近は思うような活動ができていませんでした。
この課題を解決するために動いたのが、農事組合法人ファーム小梨。中山間直接支払・小梨地区集落協定の役員も所属する集落営農組織です。2021年度にファーム小梨が中心となり、集落機能強化加算を利用して安否確認システム「みまも郎」を導入・設置しました。集落機能強化加算は、高齢者の買い物支援など、営農に関するもの以外を強化する取り組みに使える交付金です。
「みまも郎」は、冷蔵庫やドアに取り付けた無線センサーが生活反応を感知し、その情報を民生委員・ファーム小梨・家族に定期的にメールで送信するシステムです。カメラで映像を撮ったりするわけではないので利用者も受け入れやすいうえに、利用料も月額198円と安い。
21年度に14台設置し、約150万円の導入費用に交付金を充てました。23年度までに4台増えた分も交付金で賄っています。
組合長の千葉賢さん(68歳)は「集落営農組織は農地だけではなく人も守っていく組織にしていきたい」と言います。
(農文協 津田美優)