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季刊地域vol.65(2026春号)ゆるくらジャーナル

静岡

小さな保育園が続ける 震災を忘れないための交流

本誌や『現代農業』などを携えて全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬ暮らし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む、全国各地の耳寄りな情報です。

サムネ

 東日本大震災から今年で15年。藤枝市の小さな保育園「風の子の家」では、2013年から毎年7月に園児を連れて宮城県石巻市や南三陸町を訪ねてきました。

 きっかけは震災後に頻繁に耳にした募金活動でした。園児の一人が「僕たちに募金はできるの? どうしたらいいの?」と尋ねてきたとか。当時、多くの命が失われたことを数字以外で伝えたかった澤口道理事長。園の恒例行事で掘ったタケノコを、子供たちとリヤカーで近所をまわって売りました。その売り上げは南三陸町の学童に届けられました。

 また、夏に盆供養の行事で折ったたくさんの折り鶴を被災地でお焚き上げしてもらおうと考えました。それを届けた先が石巻市の洞源院です。洞源院は山の上にあるお寺で、震災時に大勢の避難者を受け入れました。その様子を住職夫人が綴った詩集『あったかい手』を、園の子供たちが朗読劇にするという交流にも発展しました。

ゆるくら
卒園式での朗読劇の様子

 そんな経緯で、年に一度、10人弱の園児を連れての宮城遠足が続いています。今や最初の子供たちは成人して、サポートのため同行してくれます。「忘れてはいけないことを自分の目で見ておく大切さを伝えたい」という澤口さんの思いが、ちゃんと伝わっているようです。震災の記憶を残していくため、自分には何ができるか考えた時間でした。

文=小篠(農文協)

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