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試し読み季刊地域No.61 (2025春号)ゆるくらジャーナル

北海道

先輩農家が中古ハウスを建てて新規就農者を応援

全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬくらし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む全国各地の耳寄りな情報です。


ハウス建設中の様子

 新ひだか町三石地域では、1989年にストック栽培が始まって以来、花卉生産が盛んで、今もデルフィニウムは地域の主力品目だ。現在は町の農業実験センターが2年間の就農研修を行ない、後継者育成を進めている。

 期間中は月額9万5000円の研修費を国の就農準備資金とは別に支給。研修1年目は先輩農家のもとで栽培の基礎を学び、2年目はセンター内のハウスで花卉栽培にイチから挑戦。指導員にアドバイスをもらいながら技術を修得する。

 そんな研修生らを地域の先輩農家らも全力応援する。研修後は町の補助を受けてハウスの新設もできるが、最近は材料費も人件費も高騰中で100坪あたり100万円近くかかるという。そこで、研修生には解体された中古ハウスの部材を購入してもらい、有志の先輩農家らが集まって自主施工で建ててしまうのだ。

 棟数が多い場合は多少日当を払うこともあるそうだが、基本的には中古ハウスの購入費や新たに張り直すビニール代だけなので、新設に比べて半額以下で済む。さらに、5人ほどのベテラン農家が一緒に作業すれば、業者に頼むよりも早く建つとか。

 「結」ともいえる助け合いの力で、これまでに研修生から5組の新規就農者が誕生し、新たな担い手として活躍中だ。

(農文協 編集部)

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農文協 編
特集:農家が足りない! 増やすために動く
農文協
周年栽培を可能とするハウス(パイプハウス)は園芸農家にとって何よりも大事なもの。しかし、近年、これまでに経験したことのないような異常気象が続き、暴風・豪雪でハウスが潰れる被害が頻発している。これからのハウス経営は、ハウスを「守る=補強する」ことからはじまると言える。本書は、ハウスを長く使っていくための豪雪に強くする補強術や、夏涼しくするための工夫、保温効果を上げて油代を減らす工夫、ビニールをラクに張る方法などを収録し、初心者からベテランまで「ハウスのラクなやり方あったな」といつでも読み返せる1冊。 ★「現代農業別冊 無敵のマイハウス」を書籍化したものです
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