全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬくらし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む全国各地の耳寄りな情報です。

鶴岡市羽黒町の細谷集落には、「細谷だだちゃ」という在来のエダマメがあります。多面的機能支払組織「チーム細谷」では、活動の一環としてこのエダマメを栽培し、農村文化の伝承に取り組んでいます。
鶴岡市は元来、だだちゃ豆というブランドエダマメの産地。その中で細谷だだちゃは、食味の良さでは定評があったものの、収穫期間の短さや発芽率の低さによって、量産はできませんでした。各家庭で自家消費用にタネが継がれてきました。
しかし農家の減少や経営規模の拡大を背景に、継承が危機に瀕していたそうです。そこで多面組織の活動として、2016年から構成員の畑10aほどを使って栽培を始めました。
日頃の管理は役員がやっていますが、6月初旬の定植作業、8月末の収穫祭は集落の子供たちも参加します。集落で食べる以外のエダマメは、直売所で500g700円で販売。甘くて美味しいと好評です。ただし、1ウネは地域住民のタネ採り用に残し、自由に採種できるようにしています。
代表の庄司茂宏さん(53歳)は「集落名が入ったエダマメです。誇りを持ってやっていきたいし、ゆくゆくは集落の特産品に」と言います。
タネを継ぎながら、地域の子供たちと一緒に作業する取り組みで、素晴らしいと思いました。
文=橋本和徳(農文協)