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季刊地域vol.55(2023秋号)ゆるくらジャーナル

高知

20年以上続く、地元の「こだわり農産物」給食

 四万十市は、2002年から学校給食に無農薬・減農薬の地元食材を使い始めた先進地。小学校13校と中学校8校の給食に、市独自の「四万十こだわり農産物認証制度」で認証された農産物が使われている。

 じつは、四万十市で学校給食が始まったのもこのときから。当時の市長が、給食が始まったのが遅い代わりに「オーガニック給食をやりたい」と言ったのがきっかけだったという。

 生産者は「環境にやさしい農業のための研究会」(会員20人)のメンバーで、野菜は9人がすべて無農薬で、米はやはり9人が無農薬・減農薬で栽培している。研究会の事務局と市農林水産課の職員が年に1回圃場を調査して認証するそうだ。

 川村祐子さん(69歳)は「中村くらしを見直す会」の代表で研究会の事務局も務める。自身が経営する自然食品店でもメンバーの野菜を販売しながら、この仕組みを支えてきた。

 現在、給食の食材は米が100%、野菜は30%が認証を受けたもの。米の価格は無農薬米が1kg550円、減農薬米が380円。野菜も含めて、慣行栽培のものより高めの値段で市が研究会から購入している。合計額は約1700万円で、その1割ほどが研究会の運営費として認証の経費などにも充てられるそうだ。

認証のための圃場調査

(農文協 長谷川貴央)

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