ホーム / 試し読み / 季刊地域vol.55(2023秋号) / 若手「草刈り隊」、早朝から小遣い稼ぎ
季刊地域vol.55(2023秋号)ゆるくらジャーナル

長野

若手「草刈り隊」、早朝から小遣い稼ぎ

 寺島渉さん(74歳)の住む飯綱いいづな古町ふるまち集落は、耕作放棄地を花桃公園にした話が以前の本誌で紹介されました(季刊地域vol.41 2020年春号)。一方、高齢で手が回らなくなった農地の草刈りには、2020年に発足した「古町草刈り隊」が活躍しています。

 隊員は地域の担い手のほか、サラリーマンや移住者など計14人。刈り払い機の使い方をマスターした5人の女性も参加しています。集落では、中山間直接支払を利用して4台の刈り払い機を用意しており、機械を持っていなくても草刈り隊に入れます。レンタル費用は無料です。

 作業は、土日の朝6時から数時間。年に8軒ほどの農家から、1軒につき年間3〜4回の依頼が入ります。隊員の多くは30〜40代で、子育てなどでなにかとお金がかかる世代。休日の朝の時間を利用して、ちょうどよい小遣い稼ぎになっているそうです。

 賃金は1時間あたり2500円。依頼者が負担するのはその半額で、残りは中山間直接支払から支払われます。

 じつは依頼者の負担金というのも、本当は負担にはなっていません。古町集落では中山間直接支払の半分を地権者に配分しています。

 草刈りを頼む人は、そこから支払うので草刈りを頼みやすいようです。

草刈りする隊員

(農文協 菊池七和子)

この記事をシェア
タイトルとURLをコピーしました