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季刊地域vol.55(2023秋号)ゆるくらジャーナル

愛媛

じつは果樹園だった… 竹林の管理、無償で請け負う

 農業なら、自分のペースでできるから子供との時間をつくれるようになるのでは……。そう思って10年前に松山市にUターンした重松弘美さん(50歳)は、耕作放棄地だらけの故郷の風景にショックを受けたそうだ。

 荒れた竹林をすみかにイノシシやハクビシンが跋扈ばっこするのを見て一念発起。20aの耕作放棄田で青パパイヤをつくったり、80aの竹林の管理を担う農園・チロポン村を始めた。

 古い竹を切り、新しい竹を残してタケノコがとれるような竹林にした。竹に負けずに生き残った甘夏や伊予柑の樹も発見。もとは果樹園だった!? 切った竹をチップにして敷き詰めたことで、草を抑えただけでなく地温が上がり、上質なタケノコを早期収穫できるようになった。

 傾斜が45度もあるような場所ばかり。重松さんは所有者に声をかけて、そこでとれた作物を収穫・販売させてもらう代わりに、無償で管理を請け負う畑(竹林)を増やしてきた。

 タケノコは湯がいたものを直売。また、収穫時期をほんの少し逃した竹を塩蔵しておき、「めんま」や「たけのこご飯の素」として販売している。

 無農薬のカンキツも収穫できる。形が悪くなってしまうので、マーマレードなどにして売ることを考えているそうだ。

整備した竹林

(農文協 辻涼香)

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