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試し読み季刊地域Vol.59 (2024秋号)ゆるくらジャーナル

岡山

新規就農も応援 施設園芸でソーラーシェアリング

アグリソーラーハウス

 晴れの国おかやま。玉野市で太陽光発電事業と農業事業を行なうネクストイノベーション(株)の大塚健夫さんは、昨今の異常気象や収益性の観点から、露地より施設園芸が有望と考え「アグリソーラーハウス」を開発しました。施設園芸ハウスの屋根に太陽光パネルを載せたのです。

 8年ほど研究し、遮光率50%だとシイタケやサンショウ、ユーカリなどの陰性植物が、遮光率30%だとブドウやイチジクなど陽性から半陽性植物の栽培が可能とわかりました。現在、シイタケ50aとイチジク10aをアグリソーラーハウスで栽培しています。

 近年は、FIT(固定価格買取制度)による大手電力会社への売電価格が、1kwh当たり10円まで下がっていますが、電気需要者と供給契約するPPAという方式だと13〜16円で売電できます。10aのハウスで電気代の収入は年100万円ほどで、施設の設置コストは2000万円。20年でコストを回収できる計算です。耐久年数は30年と想定して、残り10年の電気代収入はまるまる利益になります。

 ハウスも含めた施設の費用を発電事業に参入する企業に全額負担してもらう方式も考案。この施設を利用すれば、新規就農者が年間20万円ほどの賃料で農業収入を得られます。「就農のハードルを下げ、耕作放棄地を減らす一手になれば」と大塚さん。

(農文協 三和田勇真通)

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