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試し読み季刊地域Vol.59 (2024秋号)ゆるくらジャーナル

秋田

「放ったらカキ」活用農家!?  カッキーさん

柿を収穫するカッキーさん

 カッキーさんこと柿木崇誌かきのきたかしさんは、地域の庭先の放ったらカキ(放置柿)をかき集め「畑がない農家」をキャッチコピーに、地域課題の解決に取り組んでいます。

 広島市出身のカッキーさんは能代のしろ市に引っ越してきて、カキの木の多さに驚きました。クマやサルが寄ってくるからと伐採が進んでいますが、せっかくの地域資源をなくすのはもったいない。「本当は切りたくない」「子供や孫に家でとれたカキを送ってあげたい」という地元の方の声に背中を押され、2年前から活動しています。

 収穫シーズンには、電話やメールで依頼を受けると庭先へ出向き、無償でカキを収穫してまわります。片道40分かけ大館市まで行くことも。依頼主が必要ない分は引き取って加工し、販売します。実際9割以上は引き取るそうです。

 硬いものは主にドライフルーツに、熟したものは地元の漬物職人が廃棄するいぶりがっこの漬け汁と合わせてソースにします。これは、1〜10月に営業するキッチンカーでの「秋田風お好み焼き」の移動販売に使用します。柿酢やスムージーなど新たな商品開発にも余念がありません。 

 これらの活動を、放置果樹問題を抱える新潟や富山など他県にも広めたい、とカッキーさん。まずは一定の収益を得られるビジネスモデルの確立を目指しています。

(農文協 有賀アンナ)

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