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試し読み季刊地域No.61 (2025春号)ゆるくらジャーナル

静岡

高校生も茶農家も刺激を受けるお茶をテーマに修学旅行

全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬくらし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む全国各地の耳寄りな情報です。


キウイ園でプレゼンする高校生

 茶畑の中にあるキウイとお茶の観光農園・キウイフルーツカントリーJapan。同園の平野耕志さん(38歳)は2021年から教育事業会社と連携し、「3泊4日!社会問題解決型!掛川修学旅行」と題して埼玉県の高校2年生の修学旅行をコーディネートする。一度に30~40人、社会の課題解決に関心ある子がやってくる。テーマは掛川市の「お茶」だ。

 若手農家の茶園では茶畑から加工場まで見てもらい、利益や栽培面積など実情を包み隠さず話す。問屋では販売戦略、役場では茶栽培の振興活動を紹介。お茶とアートをテーマに地域おこしに取り組む人の話も聞く。6次産業化に取り組む平野さんのところではお茶摘みや釜炒り茶づくりを体験。

 高校生は4~5人の班に分かれ、半日かけてパワーポイントで資料を作成。最終日には、視察先の農家たちを前に10分ほど、課題解決策をプレゼンする。

 平野さんには当たり前の、高台から見下ろした茶畑の風景に感動し「ここに泊まりたい」と言った生徒がいた。平野さんは、これをヒントにクラウドファンディングで資金を集め、23年にキャンプ場をオープンした。去年は500人が訪れ、200万円を売り上げた。

 プライベートで遊びにくる子や、お茶農家でアルバイトをする子も出てきた。いずれは農業を一緒にすることもできるかもしれない。

(農文協 原田順子)

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農文協 編
特集:農家が足りない! 増やすために動く
編著:山浦陽一・中塚雅也・筒井一伸
地域にはさまざまな役職があるが、みずから進んでやりたいという人はまれであって、多くは回り番であったり、あて職であったりすることがほとんどだ。そのような「普通の地域」「普通の人」の地域事例というものはあまり取り上げられることがない。本書は全国8事例から「やる気」と動機と活動の関係から分析。誰もが、地域づくりに参加し、活動の支え手になれる方法を探究したユニークな地域づくり論である。
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