ホーム / 試し読み / 季刊地域vol.65(2026春号) / 周囲の農家も応援 自然栽培の農学校
季刊地域vol.65(2026春号)ゆるくらジャーナル

秋田

周囲の農家も応援 自然栽培の農学校

本誌や『現代農業』などを携えて全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬ暮らし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む、全国各地の耳寄りな情報です。

ゆるくら

 2019年、父親が亡くなったことを機に湯沢市にUターンした小野塚真美さん(53歳)は、自然栽培のイネ90aの経営。慣行栽培だった父の田んぼを徐々に切り替えてきた。

 23年に始めた「秋田(湯沢)自然&有機栽培農学校」の話を聞いた。「学校」といっても、建物やカリキュラムはない。学校用にした小野塚さんの田畑に毎月第4日曜日に20人ほどが集まり、もち米をつくるほか、市内から講師を招いて有機の野菜づくりも学ぶ。市内外から来る参加者は、登山が趣味の方や自然が好きな方、ヨガの先生と生徒など多様だ。

 小野塚さんが販売用につくる米づくりも手伝う。時間を問わず1回でも田の草取りを手伝えば、1合の米をもらえるシステム。昨年最も多い人は計15回で、秋に1升5合を持ち帰ったそうだ。

 突然始めた肥料も農薬も使わない米づくりを周囲はどう見ているのだろうか。

 近所の高齢農家は、何か頼んだわけでもないのに、農学校の田植えや収穫の日を「いつだぁ」と聞いてくる。当日、その農家が誰よりも早く田んぼにいたこともあった。

 各家から農機具も集まってきた。除草器や足踏み脱穀機はしまう場所がないほどだ。「終活の一環かもしれないけど(笑)」と小野塚さん。農学校が、地元と関わりを深める機会になった。

文=櫻井(農文協)

この記事をシェア
タイトルとURLをコピーしました