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試し読み季刊地域No.61 (2025春号)ゆるくらジャーナル

栃木

栽培から染めるところまで勝負服は藍染めTシャツ

全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬくらし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む全国各地の耳寄りな情報です。


藍染めTシャツを着てロッククライミング

 高根沢町にある陽だまり保育園では、年長さんがアイを育てるところから始めて藍染めをしています。20年ほど前から宇都宮大学の佐々木和也教授の指導を受けて、取り組んでいます。

 4月頭に育苗ポットにタネ播き。水やりは子供たちの仕事。園内で放し飼いのニワトリから守るためにフードカバーを被せたり、畑に定植後、卵の殻やコーヒー粕を株元にまいてネキリムシ対策をするのは子供たちが始めたそうです。除草も園児が行ない、7月末に葉を収穫します。

 収穫した生葉と水を漬物樽の8分目まで入れ、重石を置き1週間発酵。腐ったドブのにおいに子供たちも大はしゃぎ。その後、石灰を入れて沈殿藍をつくります。

 次に藍甕に移して染料液づくり。子供たちが毎日攪拌し、発酵が足りないと「元気がないよ」と先生に報告。石灰や日本酒を足してもらいます。2~3週間で染液が完成。Tシャツを絞り染めして、秋に開催されるロッククライミングや運動会で着る勝負服にします。 

 最後の仕事は11月過ぎのタネ採り。それを3月の卒園式で次の年長さんに引き継ぎます。卒業アルバムのカバーや卒園証書の台紙も藍染めです。

 園長の木村厚志(54歳)さんは「五感を通じて失敗含めていろいろ経験し、自分の力にしてほしい」と話していました。

(農文協 江崎嵩弘)

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