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季刊地域No.62(2025夏号)ゆるくらジャーナル

山口

ヒツジのいる暮らし 草刈りに活躍、羊毛の地産地消も

全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬ暮らし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む各地の耳寄りな情報です。

 2011年に京都からヒツジ(コリデール種)を1頭連れて、防府市田島にUターンした安富和代さん(71歳)。30aほどの牧場を持ち、ヒツジや牛、牧羊犬たちと暮らす。3頭の雄ヒツジたちが遊休農地の草刈り担当として活躍しているという。

 7~9月の暑い時期以外はヒツジたちを軽トラの荷台に乗せて草刈りに連れていく。大型犬用の首輪をつけ、5mの犬用リードを木の幹につないで放牧。暑さ対策のため、木陰のあるところにつなぐようにしている。

 放置されていたお兄さんのクリ園(10a)や知人の遊休農地2カ所(併せて40aほど)がメインの草刈り場。ヒツジはセイタカアワダチソウやスイバなど大きい草も食べてくれる。他にも、保育園やブドウ農家の園地でも草刈り隊として活躍する。

 19年に、手織り作家との出会いをきっかけに「山口ウール」を結成した。安富さんが提供する羊毛が作品になる。自分で刈った毛を使いたいという作家も多いそうだ。

 毎年12月に展示会を開催し、15人ほどの作家がマフラーやフェルト人形などを出展したり、糸紡ぎのワークショップを行なう。

 春にはヒツジの毛刈り体験会。体験料は1家族2000円で、刈った羊毛を持ち帰ることもできる。「羊毛の地産地消よね」と安富さん。

文=高橋真央(農文協)

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農文協 編
特集:有機農業 点を面にする
髙山耕二 著
ヤギ、アイガモ、ガチョウが草刈り・草取りに大活躍。田んぼや畑、農地まわり、庭先、遊休農地などで、家畜たちはのびのびと動き回り、草刈り・草取りに驚きの能力を発揮する。この本では、家畜の食性・行動特性、「適材適所」の放牧・放飼のやり方、脱走の防止と超獣害対策、繁殖のやり方、日常の世話や健康管理の留意点、卵・肉・糞の利用などをわかりやすく解説する。このほかにニワトリ、コールダック、ブタの放飼・放牧も収録。山あいの農地での著者の15年余りの実践をもとに、草刈り動物で身近に家畜がいる暮らしを始める1冊。
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