全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬ暮らし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む各地の耳寄りな情報です。

2011年に京都からヒツジ(コリデール種)を1頭連れて、防府市田島にUターンした安富和代さん(71歳)。30aほどの牧場を持ち、ヒツジや牛、牧羊犬たちと暮らす。3頭の雄ヒツジたちが遊休農地の草刈り担当として活躍しているという。
7~9月の暑い時期以外はヒツジたちを軽トラの荷台に乗せて草刈りに連れていく。大型犬用の首輪をつけ、5mの犬用リードを木の幹につないで放牧。暑さ対策のため、木陰のあるところにつなぐようにしている。
放置されていたお兄さんのクリ園(10a)や知人の遊休農地2カ所(併せて40aほど)がメインの草刈り場。ヒツジはセイタカアワダチソウやスイバなど大きい草も食べてくれる。他にも、保育園やブドウ農家の園地でも草刈り隊として活躍する。
19年に、手織り作家との出会いをきっかけに「山口ウール」を結成した。安富さんが提供する羊毛が作品になる。自分で刈った毛を使いたいという作家も多いそうだ。
毎年12月に展示会を開催し、15人ほどの作家がマフラーやフェルト人形などを出展したり、糸紡ぎのワークショップを行なう。
春にはヒツジの毛刈り体験会。体験料は1家族2000円で、刈った羊毛を持ち帰ることもできる。「羊毛の地産地消よね」と安富さん。
文=高橋真央(農文協)