『季刊地域』2025年秋号(10月6日発売)の特集は「米騒動の『次』へ お米と田んぼの誘引力」。いま米を自分でつくることに関心を高めている消費者と、そんな人たちに仲間になってもらおうと新しい試みを始めた農家・農村の動きを取り上げています。このミニ連載(3回)は、特集に入り切らなかった秋の田んぼ作業のノウハウを、雑誌発行に先駆けて先行公開します。
1回目は、バインダーとはざ掛けによる米の収穫・乾燥法のノウハウ。「大きな機械を必要とせず、多額な資金がなくてもできる利点がある」という八木直樹さんから、お米づくり初心者へのアドバイスです。

執筆者:八木直樹(千葉県南房総市)

大きな機械がなくても刈り取りできる
一輪バインダーは、足が少し潜るくらいに田んぼが柔らかくても刈り取ることができます。


下の写真のコンパネ(建築用の合板)は、そういう状態で刈るとき、枕地でターンしやすくするためのものです。
四隅を手刈りした後、はじめに枕地8条を刈り取ってスペースを開けてしまえば、あとの作業がしやすくなります。
刈り取りとはざ掛けの手順

①イネの出来具合により、16~20条を一つの「島」として左回りに刈り進める。写真は一つの島を刈り終え、二つ目の島を刈っているところ
②刈り終えると、各島の中央に3条分ほどのスペースができ、それを挟んで稲束が左右に向いて並ぶ(このスペースを使ってはざ掛けをする

③このスペースの片側に、はざ掛けのための長い竿竹を並べ、もう一方の側に脚の束(12本ずつにしてある)を配る。竿は向きを揃えて、3尺(90cm)ほど重ねながら、稲束の上に並べていく(竿が泥で汚れないようにするため)。ただし、両端は太いほうが外側を向くように置く(上の写真の左に、竿竹を稲束の上に並べた状態が見える)
④稲束をかける竿の真下(中心線)となる刈り跡を決め、そこから2条目と3条目の間に脚を刺していくとバランスよく組める。各竿竹の両端を三又の脚で受ける。三又は正三角錐となるようにするとよい
⑤三又の脚に、竿の太い側を1尺(30cm)以上突き出して載せる。同じく細い側は2尺ほど突き出して載せる
⑥その三又の間を3等分する位置に二又の脚を立てる。二又の脚を指す位置も中心線から2条目と3条目の間
⑦竿の太い側が載った三又の上に、次の竿の細い側を載せ、2本の竿と三又をヒモで縛る。細い竿の先端近くでも縛る。二又の脚と竿は縛らず、ただ載せて支えるだけにする。④~⑦を繰り返して竿を延ばしていく。

⑧稲束を掛けるときは、初めに三又、二又の脚の部分に掛ける。脚が垂直に立つように、3束ずつで挟むように。バインダーで刈り取った稲束の断面は楕円形なので、楕円を横二つ割りに大きく広げ、稲穂の重さを利用して遠心力で竿竹に掛けると早くきれいに掛けることができる。

⑨竿の空いているところへ稲束を掛けて埋めていく
2025年10月6日発売『季刊地域』秋号(No.63)の誌面では、八木さんがはざ掛けを続ける理由や、稲束を掛ける竿と脚(「ならし」と呼ぶそうです)を組み立てる際のヒモの縛り方についても解説しています。ぜひ本誌でご覧ください。
小さな田んぼの収穫・乾燥法(全3回)
- Vol.1 バインダーでのイネの刈り方とはざ掛けの仕方
- Vol.2 はざ掛けのための「ならし」の準備
- Vol.3 長持ちさせるバインダーの使い方

