美濃加茂市伊深町のまちづくり推進協議会では2022年の春から半年に一度、軽トラ市を開催しています。伊深交流センター前にある駐車場へ10人前後の農家が野菜などの農産物を持ち寄ります。
一台の軽トラの横に「骨董品」と書かれたのぼりが立っていました。並んでいるのは、カセットテープや陶器、和傘、置き物など。大半は、蔵に眠っていたものを農家が出品したものです。終活中の高齢者や、蔵の整理をしたい人たちが、どうせ捨てるならと持ち寄ったものも加わっています。
「例えば陶器の茶碗にコケを入れてみたりとか、若い人は新しい使い方をしてくれる。道具にとって『新しい人生』が始まる」と軽トラ市を企画した会長の小林喜典さん(69歳)。
この春の市では、70年以上前にワラでつくられたおひつカバーを、猫の寝床にすると購入された方がいたそうです。小林さん自身は、山口百恵のレコードやイナワラで縄をなう機械を次回出品するか悩んでいるところとか。
「軽トラ市は農家・非農家問わず住民の交流の場。蔵はどこの農家にもあるものだし、農産物と一緒に思い出の品を並べてみるのもおもしろい」と楽しそうな口調でおっしゃっていました。
(農文協 橋本和徳)