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季刊地域Vol.56 (2024冬号)ゆるくらジャーナル

長野

地元に雇用を生む、産地を守る若手リンゴ組合

 リンゴ産地の長野市長沼。ぽんどどう(組合長・徳永慎吾)は若手リンゴ農家19人による生産組合です。メンバーの中村太士さん(42歳)からリンゴの産地を守る二つの工夫を聞きました。

 ぽんど童では高齢化によって放棄された2 haのリンゴ畑を管理しています。剪定はメンバーが集まって共同作業として行ない、摘果や収穫などの作業は子育て世代のお母さん方にお願いしています。これで自分たちの畑にも無理なく、雇用を生むこともできているそうです。

 また、2023年1月に就農を希望する地域おこし協力隊の方がやってきました。新規就農の大変なところは機械や道具にお金がかかること。価格の高い機械は、協力隊の給与だけでは買えません。そこで、この隊員をぽんど童が受け入れて、共用のスピードスプレーヤや草刈り機などの機械を貸し出しています。

 組合内での交流がリンゴの栽培技術の伝授にもつながるそうです。いろいろなメンバーに教えてもらうことで自分に合ったやり方を探せるといいます。

 新規就農者の中には、資金の問題や農業の知識不足により定着できない人がいます。自分たちのこの活動が、地域の農家を増やすことにつながるといいと語ってくれました。

(農文協 辻 涼香)

剪定作業に集まった組合員
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