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季刊地域Vol.56 (2024冬号)ゆるくらジャーナル輝く図書館

和歌山

【海南市下津図書館】野菜づくり講座や調べもの相談で農業を支援

 地域経済の発展に寄与することを目的とした「地域産業支援サービス」に取り組む図書館が増えている。「農業支援」に力を入れる海南市下津図書館もその一つだ。

 旧下津町と合併した旧海南市域には児童書専門図書館しかなかった。そのため、合併後は下津図書館が総合的な図書・資料を所蔵する役割を果たしてきたが、旧海南市域にも同様の図書館ができることになった。

 下津図書館がこれからも地域で利用され続けるために打ち出した特色が農業支援だ。旧下津町は日本のミカン発祥の地といわれており、「下津蔵出しみかんシステム」が日本農業遺産として認定された一大産地。そんな農業の盛んな地域の図書館が、農業支援の取り組みを始めるのは必然だった。

 例えば野菜づくり講習会。私たち農文協の職員は、各地の図書館で農業関連のDVDを活用した講習会を実施している。下津図書館でもこれを実施すると50人近い参加者があり、「晩生タマネギにトウが立ってしまった」など野菜づくりの悩みが多く寄せられた。

 回を重ねるごとに参加者の質問が専門性を増し、今では地元JAの営農指導員も講師に招くなど、講習会のステップアップが図られている。

農文協職員による講習会

 利用者の農業の疑問や質問に答えるレファレンスサービス(調べもの相談)にも力を入れている。特産であるカンキツの専門書など農業関連書籍の蔵書の拡充に加え、農業データベース「ルーラル電子図書館」を活用してきた(2024年3月まで)。

 館内では野菜・果樹づくりの相談ができることをポスターで案内しているが、寄せられる質問は土づくりや果樹の剪定、「ムクナ豆の育て方は?」など様々だ。

 図書館は本を貸し出すだけの場所ではなく、地域の課題解決のための相談窓口にもなっている。

(農文協 野村 収平)

野菜や果樹づくりの相談窓口を館内ポスターで案内
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