「梅内聚落」は、能代市二ツ井の梅内地区の認可地縁団体(法人)。2012年に「二ツ井宝の森林プロジェクト」を立ち上げました。仕掛け人は市の林業木材振興課を定年退職した船山富雄さん。地域貢献と地元のスギを活かしたいと考えていた船山さんが、母親の実家のある梅内地区に声をかけたのがきっかけです。
プロジェクトの柱は三つ。一つは、各地の事例を本誌でも取り上げてきた「木の駅」で、集落のスギ共有林の林地残材を集めて能代火力発電所の混焼材として販売します。二つ目は、個人のスギ林の間伐材を薪にして、道の駅にある食堂のボイラー用などに販売する「薪の駅」です。どちらも作業は共同で、参加者には日当7000円、山の所有者には10a1000円を地域通貨で支払います。
三つ目は「薪づくり倶楽部」。雑木林の共有林を区割りして希望者に貸し出します。1区画は8m3分の薪が切り出せる大きさで料金7000円/年。地域住民が毎年20〜30人参加し、くじ引きで区割りを決めます。区画によって作業性が変わるので、このときは相当盛り上がるそうです。
また山に入りやすくなったことから、女性メンバーによる「山菜倶楽部」もできました。梅内の山菜が、市内の道の駅や首都圏のスーパー向けに出荷されています。
(農文協 有賀アンナ)