ホーム / 試し読み / 季刊地域Vol.60(2025冬号) / 集落活動センターがあったからできた「里山守り隊」
試し読み季刊地域Vol.60(2025冬号)ゆるくらジャーナル

高知

集落活動センターがあったからできた「里山守り隊」

全国をまわる農文協職員が集めた元気な活動の数々をご紹介します。「ゆるがぬくらし」「ゆるがぬ地域」づくりに取り組む全国各地の耳寄りな情報です。

集落活動センターの広報より

 山間部の本山町上下関地区ではイノシシ、シカ、カラスなどが畑の野菜を狙っている。ジャガイモ畑が一夜にして全滅したり、石積みを壊されたりすることがあるそうだ。どうにかできないかと思った泉るり子(66歳)さんが声を掛けてできたのが「里山守り隊」だ。

 隊長は西村伸一さん(76歳)。農家ではないが、県外までイノシシを捕りに行く凄腕ハンターだと知った泉さんが、飲みの場でスカウトした。西村さんはそろそろ狩猟をやめようと考えていたが、依頼を受け銃猟免許を更新したそうだ。

 さらに地区の集落活動センターなめかわの名前で隊員募集チラシを回覧板に載せると、わな猟免許を持つ牛飼いや、銃猟免許を持つ看護師さんなど10人が集まった。うち3人は「守り隊」に入ってから免許を取得。西村さんを講師に捕獲の講習会を開催した。

 集落活動センターという組織を通したからこそ見つかった仲間。「働きに出ていたから、地域にどんな人がいるか知らなかったのよね。私は言い出しっぺなだけで、『守り隊』のメンバーが活躍してくれている」と泉さん。

 活動を始めて1年余り。24年(11月末時点)はイノシシ13頭、シカ20頭、サル6頭、タヌキ2頭、ハクビシン6頭を捕獲した。今のところ鳥獣害が大幅に減ったわけではないが、すぐ相談できる窓口ができて、とても助かっている。

(農文協 高橋真央)

この記事をシェア
タイトルとURLをコピーしました