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季刊地域Vol.56 (2024冬号)ゆるくらジャーナル

鹿児島

「島内フェアトレード」、マンゴー農家を加工で支援

 以前は役場の営農支援センターに勤めていた喜界町の園田裕一郎さんは、現在はメロンやパッションフルーツを育てる農家。最近、「島内フェアトレード」として農産加工にも乗り出しました。「手塩にかけて1年育てたマンゴーを2tも廃棄した」という悔しい話を農家から聞き、これはいかんと始めたそうです。

 マンゴーの収穫は台風の襲来時期と重なります。島外へ出荷するための船が台風で欠航するのは毎年のこと。完熟したマンゴーは10日以上欠航が続くと腐敗してしまいます。島内で売っても、1kg300円という安値になってしまうことが珍しくありません。

 そこで園田さんは、本来ならばA品として出荷される島のマンゴーを1kg800~1000円で6軒の農家から買い取り、ドライフルーツに加工しています。砂糖も酸味料も無添加です。

 2023年8月に販売開始。飛行機の機内販売にも採用され、ふるさと納税の返礼品にもなり、10月までに800袋売れました。

 「ドライフルーツを入り口に、島のマンゴーの美味しさを知ってもらい、次は青果で購入してくれたら嬉しい。仲間の農家支援が第一の事業。しっかり売らないとうちは赤字です」と園田さん。島の農業への熱い想いが伝わってきました。

(農文協 杉野沙歩)

ドライマンゴーを手にする園田さんと家族
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