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試し読み季刊地域Vol.59 (2024秋号)ゆるくらジャーナル

宮城

趣味が高じたら… みんなの憩いのビニールハウスに

ハウスの中。ガラス玉が吊るしてある

 栗原市のレンコン農家・大場一夫さんは、古いものやエキゾチックなものが大好き。家の入口には「くりはら田園鉄道」廃線時に入手した踏切信号が立っている。

 そのすぐ側にあるビニールハウスに入ると、趣味の観葉植物と、廃品業者から譲り受けたという骨董品がたくさん並んでいた。東北には珍しいカンキツやブドウ、大きな観葉植物の鉢植えや、水害時に使ったという大きな木舟や水車もある。浴槽サイズの水槽四つには大きな金魚や錦鯉が悠々と泳ぐ。

 このハウス、当初は趣味の観葉植物置き場だったが、人に見て楽しんでもらいたいと場を整えていった。本業のレンコンの収穫時期(10〜3月)は直売所にもなる。お客さんや地域の人がくつろげるように机や椅子を置き、手洗い場や暖をとれる薪ストーブも完備。訪問者に自家製ハーブティーやハチミツを振る舞うこともある。

 自分が楽しむ場所からみんなをワクワクさせる秘密基地のような場所へ。今後は、避難用の木舟の上に板を渡し陳列棚にするなど、骨董品を直売スペースのレイアウトに活かした憩いの場として充実させていきたいそうだ。

 これから定年退職する父ちゃんたちの冬の居場所にもなるだろうと、大場さんは笑顔で語ってくれた。想いとワクワクが詰まった素敵なハウスだった。

(農文協 小篠健太郎)

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